新IAサーバにみた富士通の意地Weekly Memo(1/2 ページ)

富士通が先週発表したミッションクリティカルシステム向けのIAサーバ新製品には、同社のコンピュータメーカーとしての強い思いが込められているようだ。

» 2010年04月05日 09時36分 公開
[松岡功ITmedia]

自社開発にこだわったPRIMEQUEST

 「自社開発にこだわることで、将来にわたってお客様に対する責任を果たしていきたい」

 富士通の佐相秀幸 執行役員常務は3月31日、同社が開いたサーバ新製品の発表会見でこう強調した。同社が自社開発にこだわって市場投入したのは、ミッションクリティカルシステム向けのIA(インテルアーキテクチャ)サーバ「PRIMEQUEST」の新シリーズ「PRIMEQUEST 1000シリーズ」だ。

 新シリーズは、インテルが同日に発表した1CPU当たり最大8コアの「Xeonプロセッサ7500番台」を採用したことで、従来シリーズの信頼性・可用性を継承しながら、価格性能比を最大約6倍に向上。また、筐体の設置スペースを約3分の1、質量を約5分の1に小型化したことで、最大消費電力を約3分の1に低減した。

 CPUにインテル製の最新プロセッサ、OSにLinuxおよびMicrosoft Windows Serverを採用し、同社独自の高信頼・高可用技術を結集した新シリーズは、基幹業務システムの再構築や大規模データベースシステム、ERPシステムのプラットフォームとして最適なオープンサーバだと位置付けている。

 主要な仮想化ソフトウェアにも対応しているため、システムのTCO(総所有コスト)削減に有効なサーバ集約・統合や、信頼性のある企業内クラウドコンピューティング基盤としても威力を発揮するというのが売り文句だ。

 従来シリーズからの最大の変更点は、CPUをItaniumからXeonベースにしたことだ。この理由を同社の河部本章IAサーバ事業本部長は「現在は性能面でXeonがItaniumを大きく上回っており、信頼性も同等になってきた。Xeonでもミッションクリティカル向けに十分使えると判断した」と話す。

 河部本氏によると、「Xeonに切り替えたことで、(同社のスタンダードハイボリューム市場向けIAサーバである)PRIMERGYで動くソフトやハードがすべて利用できるようになり、対応するソリューション領域が大きく広がる」として、この点も新シリーズの大きな利点になると説明した。

 今後はメインフレームのXSP、オフコンのASPといったOSをPRIMEQUEST上で動作させる計画もあるという。

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