NEC、アジア各国を結ぶ「光海底ケーブルシステム」の増設プロジェクトを受注

NECはアジア地域の通信トラフィック増加に対応する「光海底ケーブルシステム」の増設プロジェクトを受注した。主要通信キャリア14社からなるコンソーシアムが発注主体となり、2011年第2四半期(4月〜6月)の完成を見込む。

» 2010年07月07日 15時04分 公開
[石森将文,ITmedia]
海底ケーブルのネットワーク図 海底ケーブルのネットワーク図

 NECはアジア各地域をカバーする大規模光海底ケーブルシステム「Asia Pacific Cable Network 2(以下、APCN2)」の増設プロジェクトを受注した。7月7日に同社が公表した。

 APCN2は、NECが2001年に納入した毎秒10ギガビットの光波長多重方式に対応した光海底ケーブルシステム。日本、中国、韓国、台湾、マレーシア、シンガポール、フィリピンを結び、全長は約1万9千キロメートルに及ぶ。今回の増設は、アジア各国で急増著しい、データや動画などに起因する通信トラフィックに対応するもので「アジア地域の高速・大容量で高品質な通信インフラ実現に大きく貢献する」(NEC)という。

 発注者は、アジア太平洋地域の主要通信キャリア14社からなるコンソーシアム(NTTコミュニケーションズ、KDDI、ソフトバンクテレコムを含む)。NECは、従来の4倍の伝送容量となる毎秒40ギガビットの光波長多重方式に対応した光海底ケーブル用端局装置「NS Series T640SW Line Terminal Equipment」を納入する予定で、2011年第2四半期(4月〜6月)の完成を見込む。毎秒40ギガビットの光波長多重化方式が採用されるのは、世界で初めてだという。

 NECは「過去30年以上にわたり、世界の海底ケーブル市場でトップクラスの実績を有している」といい、受注の要因には「実績、技術力、プロジェクト遂行力が高く評価された」(NEC)ことが挙げられるとしている。

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