“Windows+Palm”タブレットでiPad追うHP(1/2 ページ)

HPが2011年初めに、Palm webOS搭載のタブレットを投入する。webOSの機能に加え、業務用とはいえ何年もタブレットを手がけてきた経験のある同社なら、iPadに対抗できるかもしれない。

» 2010年08月27日 12時13分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 Hewlett-Packard(HP)のタブレットが2011年初めに登場する。HPは以前からタブレットを売っていたため、誰にとっても意外なことではないはずだ。だがこれまでと違うのは、複数の機種が登場し、その1つがPalmのwebOSを搭載するという点だ。

 HPが数年前からタブレットPCを販売していることを思い出してほしい。これらのマシンはWindows搭載で、強力な垂直市場を見いだしており、そこで唯一の選択肢となっている。医療などの分野において、HPタブレットは顧客が必要とするアプリケーションをサポートし、規制当局が要求するセキュリティを満たす唯一の現実的なデバイスだ。業務用コンピューティングに関して言えば、iPadはHPに及ばない。それもまた意外ではない。iPadは消費者向けガジェットとして販売されているからだ。

 Windows分野では、少なくとも新しいものが出てくるだろう。ポータブルにより最適化された新版Windowsを搭載した、HPタブレットの新バージョンだ。消費者向けのデバイスではなく、そういう用途は想定していない。HPのオンラインストアで購入はできるだろうが、iPadのライバルは手に入らない。

 だが、HPのタブレットはもう1つ登場する。既報の通り、Palm webOSを搭載したタブレットが、2011年初めにリリースされる予定だ。Windowsモデルとは違って、こちらのタブレットは消費者市場向けだ。だがiPadとは違って、ほかのwebOSデバイスから引き継いだ企業向けの機能も幾つかある。例えば、企業の電子メールシステムとの統合やエンタープライズ級のセキュリティなどだ。消費者向けではあるが、そうした消費者の多くは企業の幹部でもある。

 これは、iPadのときと同じような盛り上がりを期待してもいいということだろうか? まだ分からないが、そうはならないと思う。Appleのスティーブ・ジョブズ氏ほど、何もないところから話題を生み出すのに熟達したCEOはほとんどいない。同様に、Appleほど、顧客にデザイン上のミスや製造上の欠陥を進んで受け入れさせるのに長けた企業もほとんどない。Appleとは違って、HPはアンテナ問題や接着剤のしみを大目に見てはもらえないだろう。HPのタブレットなどのwebOSデバイスは、実際にきちんと機能するものでなければならない。

 しかし、HPほどそうしたタブレットをうまく作れる立場にいる企業はほとんどない。同社は業務用マーケットでタブレットデバイスを提供してきた経験が長い。同社の製品はAppleなどの消費者向けタブレットのようにセクシーでかっこよくはないかもしれないが、信頼性があり、頑丈で、高速だ。各種Wi-Fiやさまざまな3G回線など、通信オプションも既に多数ある。もっと重要なのは、選択肢がAT&Tに限定されないということだ。

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