Windows Phone 7.5が国内初登場、「気持ちいいスマホ」を目指す

マイクロソフトのスマートフォン向けOSの最新版を搭載する「IS12T」をKDDIが発表した。「使いこなすほど便利になる」がコンセプトといい、9月以降に発売する。

» 2011年07月27日 14時06分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本マイクロソフトとKDDI、富士通東芝モバイルコミュニケーションズは7月27日、マイクロソフトのスマートフォン向けOSの最新版「Windows Phone 7.5日本語版」および同OSを搭載したau向けスマートフォン「IS12T」を発表した。9月以降に発売する予定。

 Windows Phone 7.5は、これまで「Mango」のコードネームで開発されてきたもの。2010年にリリースされたWindows Phone 7をベースに、日本語を含む21言語への追加対応や500以上の機能追加が図られた。米国時間の26日に「製造工程向けリリース」(RTM)が発表されたばかりで、IS12Tはこれを搭載する世界初の端末になるとみられる。

特徴的なユーザーインタフェース

 同OSは「メトロデザイン」という独自のユーザーインタフェースが最大の特徴。「ライブ・タイル」という正方形もしくは長方形の個別のアイコン上にメールの着信件数やスケジュールなどさまざまな情報を通知する。ライブ・タイルをタッチすると、「パノラマUI」という部分に移動し、画面を左右になぞりながら必要な機能を呼び出せる。例えば「people」というライブ・タイルをタッチすれば、アドレス帳に登録された人の情報が表示されるほか、本人へ電話やメール、チャット、SNSのメッセージといったさまざまな手段でコンタクトできるという具合だ。

「people」では知人がFacebookに投稿した内容やTwitterのツイートも一覧で分かる

 また日本語入力機能では、国内で開発したという「カーブフリック」を搭載。ひらがなをなぞることで文字入力できるが、同機能では斜め方向になぞると濁点なども入力できる仕組みとなっている。

 また最大25Gバイトまでのデータをオンライン上に保管できるサービス「SkyDrive」とも連携。撮影した写真やOfficeのドキュメントなどを、インターネット上で共有できるようになっている。このほか、WebブラウザにはInternet Explorer 9を搭載する。画面デザインはPC版とは異なるが、共通のレンダリングエンジンを使用していることで、従来のWindows Mobileに比べても描画時間が大幅に短縮された。

データ保存・共有の「SkyDrive」がスムーズに利用できるようにしているという

 ハードウェア面の主な特徴は、32Gバイトの大容量内蔵メモリ(ユーザー使用可能領域は約28Gバイト)や防水・防塵構造、1320万画像カメラなど。3.7型WVGA(800×480ドット)の液晶画面を搭載し、通信速度は受信で最大9.2Mbps、送信で同5.5Mbpsとなる。「グローバルパスポート CDMA&GSM」サービスにより、海外でも利用可能。なお、赤外線通信やワンセグ、おサイフケータイなどの機能は搭載しない。auのメールサービスとしては、Cメール(SMS)が受信のみ利用でき、「@ezweb.ne.jp」のEメールは10月上旬以降に対応する予定だ。

カラーは3色。金属的なイメージを極力排除したというデザイン

 記者会見では、新製品についてKDDIの田中孝司社長が「始めの1、2日は取っ付きにくいが、それを過ぎると使いこなすほどに気持ちよくなる。スマートフォンの新しい魅力だ」とコメント。富士通東芝モバイルコミュニケーションズの大谷信雄社長は、「(富士通グループが掲げる)ヒューマンセントリック、ユビキタスの世界への入口になる端末」と語った。

 日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「Windows Phoneは他のOSに比べると後発だが、市場自体はまだ黎明期なのでいくらでもチャンスがある。アプリ開発者とメーカー、通信事業者などからなる当社の“エコシステム”もスマートフォンの可能性を広げるために重要な存在だ」と述べている。

会見した大谷氏、田中氏、樋口氏(左から)

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