新機能リリース! という話だけならまだ「それ前からあるよ」で済みますが、「Google+に対抗するため〜」となると、有害な誤情報と言わざるをえません。
伊藤海彦氏「グラフカタリスト」はある日、「『FacebookがGoogle+を追撃するためTwitterと連携』というニュースを見つけた」という。しかし調べてみると、「上記のページで紹介されている機能は少なくとも半年以上前から利用可能だった」ことが分かった。「新機能リリース! という話だけならまだ『それ前からあるよ』で済みますが、『Google+に対抗するため〜』となると、有害な誤情報と言わざるをえ」ないと懸念を表している。
この誤報はどこからどうやって広まったのか。詳しくは伊藤氏のエントリーを読んでいただきたいが、結論から言うと、メディアブランドの下に書かれたブログ記事が元になっていたという。「伝聞の伝聞の伝聞の……というよくあるパターンです。しかも途中で『Google+対抗』という尾ひれまでついてしまった」のである。「ZDNetとPCmagの記事はメディアブランドをかぶせながらも、実質は個人ブロガーによる執筆もしくはそれに準ずる体裁を取っています。米国では主流となっているスタイルのようですが、こういった危険性も孕んでいることが良く分かる1件」だった。
「オルタナブログも、アイティメディアのブランド下で運営されています。また一部ブロガーのエントリーはBLOGOSなど、他のメディアにも配信されている」ので、決して他人事ではない。伊藤氏は「他山の石とすべき事柄だったため、エントリにしてみた」という。
伊藤芳浩氏「持続可能な情報社会」の内田樹先生の「情報リテラシーについて」を読んでも、併せて読んでいただきたい。
1つ重要なことが欠けているなと思いました。それは……
ソーシャルメディアの進化は早く、日進月歩で変化している。少し前に出たばかりのマニュアル本が役に立たなくなるといったこともよく起こる。
佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」のFacebookのPoke(あいさつ)が表舞台から消えたでは、「今までニュースフィードとかのページの右側に出ていたFacebookの象徴のような『Poke(あいさつ)』が消えた」ことを紹介。「存在自体はまだあって、友達のページの右上に並ぶ(ここに『フィード購読する』ボタンが加わりました)右端の歯車ボタンに収納され」たという。「もともとなんだかよくわかんない機能ではありましたが、指でつんつんするアイコンと相まってなんだかFacebookらしい気がして、使わないながらも好きだった」というが、読者はいかがだろうか。
佐藤氏のエントリー内でも触れられた「ニュースフィード」については、複数のオルタナブロガーが取り上げている。
ブロガー | ブログ | 新ニュースフィードで何が変わるのか |
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伊藤海彦氏 | 「グラフカタリスト」 | 【追記】Facebook 新ニュースフィードで何が変わるのか? |
高木芳紀氏 | 「普通のおじさんとソーシャルメディア。」 | FacebookでもGoogle+やTwitterのように「フォロー」できるようになったようですね。 |
伊藤氏の解説をさらに分かりやすくしてくれたのが、高木芳紀氏「普通のおじさんとソーシャルメディア。」のFacebookでもGoogle+やTwitterのように「フォロー」できるようになったようですね。だ。簡単に言えば、「友達じゃない有名人の投稿も、自分のニュースフィードで見られるようになる」ということだ。
Facebookの躍進が止まらないのかと思いきや、別の調査結果を紹介してくれたのが、吉政忠志氏「ベンチャービジネス千里眼」のSNS利用目的5部門すべてでmixiがFacebookを抑える(ソーシャルメディア調査報告書2011)だ。
インプレスR&D出版の『ソーシャルメディア調査報告書2011』によると、「リアルな人とのコミュニケーション」「暇つぶし」「ネット上の知り合いとのコミュニケーション」「趣味等に関する情報収集」「ニュース」「ゲーム」のいずれでも、mixiの利用率がFacebookを上回ったという。吉政氏は、「Facebookは大半が実名・リアル関係者との利用に限定しているのに加え、mixiは実名以外のネットだけのお友達も含めてコミュニケーションの幅が広く、またゲームについては先行者のメリットがある」としているが、さてどうだろうか。さらに「個人的には最近Facebookからmixi帰りの話も聞く」ともいう。「一時的にFacebookの攻勢が進んでいますが、両者は共存しそう」な気がするとのことだが、実際どうなっていくのだろうか。
企業のFacebook活用についての調査を紹介したのは、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」の企業のFacebookページの活用度を数値化したFacebookIQだ。面白いのは、「Facebookでのファンの総数とファンとの交流度合いについては、そこに相関関係が無い」ことだという。吉川氏は、「ファン数を増やすことに躍起になっている企業が多いが、もうちょっと頭を使った方がよい」というが、その通りかもしれない。
Facebookを企業で活用するにあたって、参考書やネット上の記事を参照する人も多いだろう。しかしその中には根本が抜けているものもあると指摘したのが、高橋誠氏「点をつなぐ」の「Facebookページでファンを増やす18のテクニック」に欠けている決定的に重要なことだ。とある記事を読んだ高橋氏は、「1つ重要なことが欠けている」と思った。それは「Facebookページ自体の中味を充実させること」だ。
そんなことは言われなくても分かってる――そういう企業のFacebookページ担当者も多いだろうが、いま1度ご自身のページを見直してもらいたい。高橋氏は、「それができているのかというと、できていると思われるFacebookページはごくわずかという印象」だという。「アクセスしてもらうためのテクニックを駆使するまえに、まずは中味を充実させることを考えないといけないなと、自戒の念も込めて思った」とまとめている。
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