ネバダ州ラスベガスでWebSphereユーザーのための年次カンファレンス「IBM Impact 2012」が開幕した。「Change the game」をテーマに掲げ、ビジネスを見直し、テクノロジーで変革した先進企業の取り組みが数多く紹介されている。
「恐れるな、あなたならできる」── 故スティーブ・ジョブズ氏の伝記著者として知られるウォルター・アイザックソン氏は、類稀な情熱で世界を変えたApple創業者の名言を引き合いに出し、スーツ姿が目立つ何千人ものIBMユーザーらに「変革」の大切さを訴えた。
現地時間4月30日、ネバダ州ラスベガスのベネチアンホテルで開幕したWebSphereユーザーのための年次カンファレンス「IBM Impact 2012」には8500人を超える顧客やパートナーが集まり、過去最大の規模となった。アイザックソン氏のゲスト講演で始まった今年のImpactは、「Change the game」をテーマに掲げる。約600のセッションを通して、自らのビジネスを見直し、テクノロジーで変革し、ビジネスのやり方を変えた先進企業の取り組みが数多く紹介されている。
早朝からホテル隣接のコンベンションセンターで行われている初日のジェネラルセッションでは、アイザックソン氏に続き、WebSphereファミリーを核とするアプリケーションミドルウェアとインテグレーションミドルウェアの責任者、マリー・ウィークGMが登場、IBM自身も顧客との対話から絶えずITを捉え直していると話す。
「2015年にはデバイスが500億に増え、トランザクションはどこでも行われるようになる。ソーシャルメディアを介したやり取りも企業のビジネスに大きな影響を与えるようになる」とウィーク氏。
こうしたクラウド、モバイル、ビッグデータ、そしてソーシャルは、企業が取り組まなければならないITの課題であると同時にビジネスを変えるためのテクノロジーでもある。サプライヤーや販売会社のようなパートナーにはAPIやクラウドサービスを提供して緊密にコラボレーションし、顧客向けには利便性が高いiPhoneのアプリケーションを公開することでゲームの流れを変えられる。
「さまざまなシステム、あるいはクラウドサービスへと形を変えていくかもしれないが、基盤となるのはWebSphereだ。企業は既存システムの基盤であるWebSphereを生かしながら、例えば、モバイルデバイスの機能を活用した新しい価値を顧客やパートナーらに提供できる」(ウィーク氏)
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