NECが、家庭用小型ロボット「PaPeRo petit」用のアプリ開発などを行うパートナー企業を募集。企業がロボットを使った個人向けサービスなどを開発、提供できるようにする。
NECは11月11日、クラウド連携機能を備える家庭用小型ロボット「PaPeRo petit」(パペロ プティ)用のアプリケーション開発やサービス提供を行うパートナー企業の募集を始めた。ロボット本体とクラウドサービスの組み合わせで、高齢者や子どもの見守り、住宅セキュリティといったさまざまなサービスを実現するという。
PaPeRo petitは、カメラやマイク、人検知センサーなどを備える対人用ロボット。高さ24センチ/重さ1.3キロと従来の「PaPeRo R500」と比べて小型軽量化し、家庭や店舗などの生活空間になじみやすくしたという。
クラウド連携機能を搭載し、センサーで収集した各種データを基にクラウド上で複雑な画像認識や音声合成などを行える。これと各種アプリケーションを組み合わせることで、合成会話によって人と会話したり、店舗で客を応対したり――といったことが可能になるとしている。
利用シーンの1つとして、同社はSNSとの組み合わせによる高齢者の見守りサービスを挙げる。例えば、一人暮らしの高齢者宅にPaPeRo petitを設置し、対象者の動きや発話などを認識してSNS上に自動投稿。遠隔地にいる家族とPaPeRo petitを通じてコミュニケーションすることで「SNS経由の“ゆるい見守り”を実現する」(NECの石嶋光氏)としている。
今後、PaPeRo petit向けアプリケーション開発用のAPIをパートナー向けに提供し、企業が自由にサービスを開発できるようにする。また併せて、PaPePo petitの個人向けサービスを提供するビジネスパートナーも募集していく。
すでに数社のパートナー企業と準備を進めており、2014年1月から見守りサービスや生活支援サービスなどを提供する予定。価格はパートナー次第だが「1カ月当たり1万円以下にしたい」(NECの保坂岳深 執行役員)としている。
保坂執行役員は「少子高齢化が進む中、家庭用ロボット市場は今後3年間で100億円規模になるとも言われる。NECはPaPeRo petitのパートナープログラムを通じ、まず国内向けに見守りや子育て支援などさまざまなサービスを提供し、いずれは海外向けにもサービスを拡大させたい」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.