統合されたクライアント環境がビッグデータ活用への道を切り開く!IDCのアナリストが日立のキーマンに迫る

本格的なビッグデータ時代が到来する中、経営とITの融合が企業活動において非常に重要なポイントとなっている。特に昨今では、Bring Your Own Device(BYOD)などを活用し、時間や場所にとらわれないワークスタイル変革や在宅勤務をセキュアな環境で実現し、従業員の生産性や経営スピードを向上する取り組みが重要性を増している。では、そのためのIT基盤をどのように整備すべきか。日立製作所(以下、日立)の情報・通信システム社でプラットフォーム部門COO 兼 ITプラットフォーム事業本部長を務める岩崎秀彦氏と、IDC Japan(以下、IDC)でリサーチバイスプレジデントを務める中村智明氏が、ビッグデータ時代に求められるIT環境について語り合った。

» 2014年01月27日 10時00分 公開
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ビッグデータ時代に見直すべき「クライアント環境」の重要性

photo 日立製作所 情報・通信システム社 事業執行役員 プラットフォーム部門COO 兼 ITプラットフォーム事業本部長の岩崎秀彦氏(左)、IDC Japan リサーチバイスプレジデントの中村智明氏(右)

中村 IDCでは、モビリティ、クラウド、ビッグデータ、ソーシャル技術の4つの要素で構成される「第3のプラットフォーム」へのシフトが今後のIT業界をけん引していくとみています。そうした流れを受け、今後5年間で年率19.7%もの急成長が見込まれるのが国内クライアント仮想化ソリューション市場です。

 日立も2013年12月に「Hitachi unified client experience platform」(以下「日立クライアント統合ソリューション」)を発表するなど、VDI(デスクトップ仮想化基盤)を中心とするクライアントソリューション事業を強化されていますね。その背景をお聞かせください。

岩崎 日立がVDI事業に注力している背景としては、スマートデバイスの普及や、Windows XPのサポート終了問題などを契機とするVDI市場全体の盛り上がりがあります。加えて、本格的なビッグデータ時代の到来に伴い、クライアント環境を見直すことの重要性が高まっているのも大きな理由の1つです。

 現在、多種多様かつ膨大なデータを活用し、新たな価値の創出によるビジネスの強化や課題解決につなげようとする考え方が注目されています。しかし、データは単に収集しただけでは活用できません。集めたデータから新たな発見や未来予測を導くためには、さまざまな角度からデータを観察、分析する必要があるのです。日立はこれらを実現するため、サーバ、ストレージ、ソフトウェアなどを統合したITプラットフォームを提供してきました。

 そうした中、さらなるデータ活用を進めるために重要性を増しているのが、VDIをはじめとする新たなクライアント環境です。ITプラットフォームに蓄積したデータに自在な手段でスムーズにアクセスし、ユーザー同士のコミュニケーションでデータに付加価値を与え、それを再びITプラットフォームに集約していく。こうして企業内のさまざまなデータや経験を「知」として蓄え、それをまた活用することで、新たな価値を創出できるはずなのです。

中村 VDIをはじめとする次世代クライアント環境の導入は、企業経営にどのようなインパクトを及ぼすのでしょうか。具体的なメリットを交えてお聞かせください。

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岩崎 まず、社員がPCやスマートフォン、タブレットからインターネット経由で自分のデスクトップ環境にアクセスし、これまで社内でしか使えなかったデータやアプリケーションにいつでもどこでもアクセスできるようになります。これは大幅な業務のスピードアップや質の向上、社員同士のコミュニケーション促進につながるでしょう。

 また、こうして社員が社内システムに蓄積したデータを経営者がさまざまな場所・デバイスで閲覧したり、分析して利用することも可能になります。例えば、システムに保存された顧客データや商品データをリアルタイムに分析することで、経営における意思決定の迅速化や正確化を図れるはずです。

 社内システムに対する柔軟なアクセス手段を提供する一方、データやアプリケーションには厳密にアクセス制御をかけられるため、情報漏えいリスクを抑えることもできます。各ユーザーのデスクトップ環境はデータセンターで統合管理することも可能なため、企業内で一元的なデータ保護を実現できるのも大きな利点といえるでしょう。

 ただし、こうした次世代クライアント環境のメリットを最大限に発揮するためには、VDIシステムの構築だけでなく、スマートデバイスやコミュニケーションツールの導入、ビッグデータ活用基盤の構築なども欠かせません。そこで、これらを包括的にサポートするのが日立クライアント統合ソリューションというわけです。

photo データの有効活用を実現するシステム全体のイメージ

日立グループ約8万人のノウハウを新ソリューションに結集、大規模導入事例も

中村 日立クライアント統合ソリューションの特徴は何でしょうか。

岩崎 日立は自社でもグループ約8万人が利用する大規模なVDIシステムを構築・運用しています。このほか、多数の企業や自治体にもVDIシステムを提供しており、これらで培った豊富な経験と知識を強みに、効率的な投資計画の作成からシステムの設計、構築・運用までをトータルに支援します。

 また、高信頼なクラウド、セキュリティ、ビッグデータ利活用といった日立グループ内の幅広い製品・サービスと、スマートデバイスやコミュニケーションツール、パブリッククラウドサービスなどを組み合わせ、お客さまにとって最適なクライアント環境を実現します。

photo 日立クライアント統合ソリューションの概要
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中村 IDCの調査では、VDIの導入効果として「コスト削減」「Windows XPからの移行」「クライアント環境の集中管理」「セキュリティ対策」などが多く挙げられています。また、国内のある運送会社はVDIの導入を通じ、従業員の生産性向上や、時間や場所にとらわれないワークスタイルへの変革、ワークライフバランス、職場のイノベーションなども実現したそうです。日立の顧客はVDIのどのような点に価値を見出しているのでしょうか。

岩崎 日立は2012年の国内クライアント仮想化ソリューション市場でトップシェアを獲得しており、これまで300社以上のお客さまに導入いただきました。お客さまがVDIの導入を検討されるポイントはそれぞれですが、傾向として、これまでは「情報漏えい対策の観点でセキュリティ対策の向上」や「クライアント環境の集中管理によるTCO削減」が多かったと思います。

 そのニーズは今も変わりませんが、中村さんもおっしゃる通り、新たに「テレワークの実現によるワークスタイル変革」や「事業継続性の確保」などに価値を見出すお客さまも増えています(関連記事:損保ジャパンが「実績と信頼」を評価した日立のノウハウとは?)。

グループ横断組織を新設、多様なニーズに応えるソリューションを提案

中村 岩崎さんは、日立の海外展開を支えるストレージ事業で長らくリーダーシップを発揮してこられました。その経験をITプラットフォーム事業のかじ取りで、今後どのように生かしていくお考えですか。

岩崎 日立は約20年にわたってグローバルでストレージ事業を展開し、現在ではグループ会社のHitachi Data Systemsを通じ、約130カ国でストレージ製品を提供しています。こうして海外で得られた先進事例や経験、ノウハウをいち早く日本のお客さま向けの提案に生かせる点は、日立ならではの強みであり、ITプラットフォーム事業でも最大限に生かしていきたいと考えています。

 また、ストレージ事業でデータの持つ価値や重要性を強く感じてきた経験は、ITプラットフォーム事業においても“財産”となります。ビッグデータ活用に向けて求められるシステム要件が多岐にわたる中、積み重ねてきた試行錯誤をもとに、お客さま視点に立って提案やアドバイスができるはずです。

 お客さまのニーズに応じて最適なソリューションを提案するため、今回、新ソリューションの展開に加え、グループ横断組織「クライアント統合ソリューションビジネス開発ラボ」も新設しました。これにより、グループ各社の垣根を超えて知恵を出し合い、ワンストップでクライアントソリューションを提供していく所存です。

 日立はデータ活用のためにクライアントも含めたトータルなプラットフォームのご提案ができるようになりました。このことが、お客さまのデータ活用を拡大させ、さらなるお客さまのビジネス強化やイノベーション創出の循環を生んでいくと期待しています。

 そのためにも実績と経験に裏打ちされたクライアントソリューションを今後も強化していき、お客さまに安心して利用していただける環境づくりに注力していきます。

中村 本日は貴重なお話をいただき、どうもありがとうございました。

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提供:株式会社日立製作所
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2014年2月26日