Windows 8.1

「XPの移行先はWindows 7がベスト」は本当か?さよならWindows XP、そしてWindows 8.1へ(2/2 ページ)

» 2014年01月30日 08時00分 公開
[山本雅史,ITmedia]
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デスクトップアプリケーションの互換性は高い

 Windows 8がリリースされた直後は、Windows 7ベースのアプリケーションでもWindows 8にインストールできないなどの問題点があった。しかし、Windows 8のリリースから1年を経過してWindows 8.1がリリースされたときには、多くのデスクトップアプリケーションがWindows 8.1のデスクトップで動作している。

 実際、仕事場のメインPC環境を移行したときに、最も気になったのが常用しているアプリケーションがWindows 8.1で動作するかということだった。多くの市販アプリケーションは、Windows 8/8.1への対応を果たしている。また、いくつかのオンラインソフトウェアもWindows 7に対応していれば、Windows 8.1でも問題なく動作した。全てのオンラインソフトウェアをテストしている訳ではないので、100%大丈夫とはいえないが、メジャーなソフトの多くはWindows 8.1でも動作している。

 多くの企業がWindows XPからWindows 7へのアップデートを計画しているが、Windows 8.1でもデスクトップを中心にして利用するならWindows 8.1に移行しても大きな違和感はないだろう。アプリケーションに関しても、Windows 7で動作するなら、Windows 8.1でも動作する。企業で利用するタブレットはWindows 8.1、デスクトップはWindows 7と分断するよりも、全てのOSをWindows 8.1にまとめた方が、シンプルで管理もしやすい。

 厳密なベンチマークを行ったわけではないが、Windows 8.1を利用していると、少ないメモリ環境でもデスクトップアプリケーションが軽快に動作している感じがする。このあたりは、新しいOSを新規インストールした影響なのかもしれない。特にネットワークに関してのパフォーマンスはアップしているようだ。古いWindows 7からWindows 8.1にネットワーク経由でデータをコピーした場合、あきらかに高速にデータ転送が行われている。Windows 8.1同士だと、さらのデータ転送が高速化されている。

 このあたりは、Windows 7に比べるとOSのカーネルが大幅に改良されているため、大きなメリットになっている。

Windows 8.1の普及をキャンペーンで後押し

 Microsoftは、Windows XPからWindows 8.1の移行を推進するために、PCの台数が250台未満の中小企業、公共機関、医療機関に向けて、Windows 8.1 Proのアップグレードライセンスを20%引きで提供するキャンペーンを開始した。

 また、Windows XPと同じタイミングサポートが切れるOffice 2003の移行先としてクラウドサービスのOffice 365のライセンス価格を1年契約では20%引き、複数年契約なら25%引きする。Office 365に関しては、クラウドサービスだけだと思いがちだが、ローカルPCで動作するOffice 2013も利用できる。

 同ではこういったキャンペーンを行うことで、Windows XPからWindows 8.1とOffice 365への移行を後押ししようとしている。ただ、全てのユーザーがWindows XPとOffice 2003から移行できるとは思っていないため、同社が提供しているセキュリティソフト「Microsoft Security Essentials」の定義ファイルをWindows XPがサポート切れになっても2015年7月14日まで提供すると発表した。

 ただ、セキュリティソフトとしては、Microsoft Security Essentialsは、サードパーティのセキュリティソフトに比べるとそれほどセキュリティ性が高いわけではない。このため、2014年春以降もWindows XPを利用するなら、サポートを表明しているサードパーティのセキュリティソフトを利用した方が安心できる。

 トレンドマイクロやシマンテックは、当面はWindows XPをサポートの対象外とはせずに、セキュリティソフトの動作対象としていく。ただ、OS本体のサポートが終了するため、10年後もサポートしているかといえば、無理だろう。3〜4年の間にセキュリティソフトのサポート対象からもWindows XPが外れるため、その間に確実に移行する必要がある。

 Windows XPのサポートが終了する4月を目前に控えたタイミングだが、今から慌てて付け焼き刃で移行するよりも、じっくりと自社のITシステムをどうしていくかを考えて、Windows XPからの移行を考えるべきだろう。

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