米国では商用ドローンの飛行はFAAが決めた地域でしかできないが、Amazonが安全なドローン配送サービス実現のために私有地での屋外飛行実験を許可するようFAAに申請した。
米Amazon.comは7月9日(現地時間)、米連邦航空局(FAA)に「Prime Air」の屋外実験の許可を申請した。
Prime Airは、同社が昨年12月に発表したドローン(無人機)を使った配送サービス。
9日付の申請書によると、同社は現在、第8、第9世代のドローンを開発中で、屋内と商用ドローンの飛行が認可されている米国外で実験しているという。
現行プロトタイプは時速80キロ以上の速度で飛行でき、約2.3キロの荷物を配送できる。Amazonが扱う商品の86%は2.3キロ以下だ。
現在の法律では商用ドローンはFAAが決めた場所でしか飛ばせないが、Amazonは自社の私有地上空での実験を例外的に許可するよう求めている。
同社は、米連邦議会が商用ドローンの解禁に向かっている現在、安全な飛行のための実験を許可することは公共の利益になると主張。さらに、Amazonのドローンの屋外実験はドローンが商用だというだけで、現在数千人のホビーストやホビー用ドローンメーカーが日常的に行っていることと同じだと説明する。
屋外実験では必ず操縦者の視界の範囲で、規制内である122メートル上空までで飛ばす。また、実験は空港や繁華街から十分に離れた場所で行う。
同社は「いつの日か、空を飛ぶAmazon Prime Airのドローンは道を走る郵便トラックと同じくらい日常的な光景になる」とし、Amazon Prime Airの実現は、全米の消費者に計り知れない利益をもたらすと主張する。
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