「モバイル端末に保存された個人情報」に一番興味がないのは誰?半径300メートルのIT(2/2 ページ)

» 2015年07月14日 08時00分 公開
[宮田健ITmedia]
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自分の個人情報は自分も把握しないとダメ!

 振り返って……。スマートフォンやタブレットは、そのような対応が必要なデバイスであることを再度認識しないといけないと考えています。あまり意識していない人もいますが、スマートフォンはあまり他人に知られたくない情報が詰まった機械。だからこそ、総合セキュリティ対策ソフトのモバイル版をきっちり動かし、外部からの脅威を防がなくてはなりません。

 ただし、外部だけではありません。脅威は身近な家族や友人にもあるという前提で考えましょう。具体的には、上記の契約用タブレットのように「免許証を撮影してそのまま保存している」ことや、「メールアドレスやパスワード文字列が推測文字列として変換できてしまう」こと、「検索履歴が残っていること」を、頭の片隅に入れておくことでしょう。私も最近iPhoneはiCloudフォト、AndroidはGoogleフォトを使っていますが、どちらも「端末から消すとクラウドのファイルも消える」ことを確認してから使っています。本人確認のために、たまに免許証の撮影を行いますが、その都度消すようにしています。

 多くの人が共用しているようなタブレットが職場にあった場合、管理している方は定期的にそのような情報を消去することは必須でしょう。また、個人のスマートフォンならば、それらを消去するよりも「端末のロックを確実に行う」ことが重要です。特にiPhone 5S以降には指紋認証を行うTouch IDが搭載されており大変便利なのですが、なかなか浸透していないようで、残念ながら「使ってない」という方が多いです。最低でも暗証番号によるロックを行いたいものです。

 一番悩ましいのは、家族で共用しているタブレットなどではないかと思います。こういう端末は、SNSのログイン情報が残っていないかどうかを常に確認してください。知らぬ間に家族が投稿してしまうと、社会的地位を失う可能性すらありますからね……。

試しに自分のスマートフォンにて2文字だけ打ってみたところ、推測変換にメールアドレスのユーザー部分だけでなく、Webブラウザの履歴にメールアドレスそのもの、およびメールシステムのURLも出てきました。自分のスマホからは目を離さないように……

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。みなさんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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