相手の要求に応じて遠隔操作ソフトをインストールしてしまった人もいるという。
情報処理推進機構(IPA)は8月4日、ウイルス検出を警告する音声でWebサイト閲覧者をだます手口に注意するよう呼び掛けた。この手口に関するIPAへの相談が7月までに19件寄せられているという。
問題の手口は、何らかの方法で「PCサポート」というWebサイトを閲覧すると、日本語の音声で「ウイルスが検出されました」と警告する。さらに、Webサイトに掲載されている番号に電話するよう閲覧者に告げる。
トレンドマイクロも5月29日に、問題の手口に注意するよう呼び掛けていた。同月27日時点でこのWebサイトへ約7000件のアクセスがあったと報告している。
IPAに相談したユーザーの中には、警告に不安を感じて実際に電話をしてしまった人もいるという。電話口で相手から「遠隔サポートによるウイルス駆除を行う」と告げられ、遠隔操作ソフトをインストールし、実際に何らかの遠隔操作が行われたとのこと。その後に相手から有償ソフトの購入を促されたものの、結果的にサポート費用を請求されたり、遠隔操作でPC内のファイルに勝手にアクセスされたりする事態にはならなかったという。
問題のWebサイトへは、広告バナーのクリックなどから誘導されてしまった可能性があるといい、警告メッセージはウイルス感染の有無に関係なく自動的に再生されるとしている。上記の相談者の被害は不明であるものの、遠隔操作ソフトを悪用して情報が盗み取られたり、コンピュータを不正操作されたりする恐れがある。
IPAは、問題のWebサイトにアクセスしても音声メッセージを無視し、電話をかけないでほしいと忠告。ウイルス感染の確認はセキュリティソフトで行い、日頃からもセキュリティソフトを導入して感染リスクに備えるといった基本的な取り組みを実施してほしいとアドバイスしている。
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