ネットバンキングの不正送金が754件発生し、個人口座の被害も増加に転じた。
警察庁は9月3日、2015年上半期のインターネットバンキングでの不正送金被害状況などを発表した。
発生件数は754件で送金額は約15億4400万円に上った。信用金庫・信用組合(信金・信組)の被害額は前半期の約4800万円から今期は約5億1300万円と、10倍以上も増加している。
被害は144の金融機関で発生し、特に信用金庫での被害は前半期の18件から77件に増えたほか、新たに農業協同組合や労働金庫での被害が確認された。被害口座は、都市銀行や地方銀行などでは個人、信金・信組では法人が目立つ。金融機関全体でみると、法人口座の被害は3半期連続で減少したが、個人口座では増加に転じた。
金融機関が未然に阻止した不正送金額は約1億6800万円で、実質的な被害額は約13億7500万円だった。阻止率は10.9%で、前半期の31.4%から後退している。
警察庁は信用金庫に対し、当日送金の停止などの被害防止策の実施を要請している。
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