ランサムウェア「Petya」の暗号解除ツール、無料公開される

専用サイトを使って感染したドライブに関する情報を提供すると、暗号を解くためのパスワードが生成されるという。

» 2016年04月12日 07時50分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)の「Petya」に感染して人質に取られたHDDの暗号化を解除し、身代金を払わなくてもコンピュータを取り戻せるというツールがセキュリティ研究者によって無料で公開された。

 同ツールはTwitter上で「leostone(@leo_and_stone)」というユーザーが発表した。遺伝的アルゴリズムを使ってPetyaの暗号を解くための鍵を取得し、わずか数秒で暗号を破ることに成功したとしている。被害者が無料でこの鍵を生成できるというWebサイトも開設した。

公開された「Petya」解除ツールのWebサイト

 コンピュータ情報サイトのBleeping Computerを運営するローレンス・エイブラムス氏は、同サイトを使って感染したドライブに関する情報を提供すると、暗号を解くためのパスワードが生成されることを確認したと報告。入手したパスワードをPetyaのロック画面に入力すると、HDDの暗号が解除されるはずだと伝えている。

 ただし同サイトを使うためにはPetyaに感染したドライブを別のコンピュータに接続して特定のデータを抽出する必要があるという。Bleeping Computerではその手順についても詳しく解説している。

 同ツールについては、米セキュリティ機関のSANS Internet Storm Centerも報告した。しかし攻撃側も、ランサムウェアの暗号を解除されるに至った「過ち」を是正しようとすることから、今回のようなツールが通用する期間は大抵の場合、数週間から数カ月程度とごく短いと指摘している。

米国機関もツールに言及

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