量子コンピュータの開発に取り組むGoogleが、量子コンピュータを使ったサイバー攻撃に備えるために、Chromeブラウザを使ったセキュリティ管理アルゴリズムの実験を開始した。
米Googleは7月7日(現地時間)、将来起こり得る量子コンピュータを使ったサイバー攻撃に備え、攻撃対策のための実験を開始したと発表した。
同社のWebブラウザ「Chrome」のデスクトップ版Cnaryエディションで実験する。ChromeとGoogleのサーバ間で現在使っているセキュリティ管理アルゴリズムの上に、“ポスト量子のキー交換アルゴリズム”を加えるという。こうすることで、参加ユーザーの安全を保ちながら実験することができるとしている。
量子コンピュータはまだ実用段階になっていないが、稼働すればその圧倒的な処理能力により、現行の暗号化プロトコル「TLS」を容易に破壊できるとみられている。
Googleは昨年12月、米航空宇宙局(NASA)と共同で導入したカナダの量子コンピュータ企業D-Wave Systemsの量子コンピュータ「D-Wave 2X」での問題解析速度が、シングルコアコンピュータの1億倍以上高速だったと発表。米IBM、米Microsoft、米Intelもそれぞれ量子コンピューティングの研究を推進している。
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