AI「Zinrai」の基盤サービスとAI機能のAPIを2017年春から提供し、企業のAI活用とビジネス革新の支援を目指す。
富士通は11月29日、同社のAI(人工知能)「Human Centric AI Zinrai」を活用するディープラーニング基盤と業種・業務に対応したAIサービスの提供を開始すると発表した。
「FUJITSU AI Solution Zinraiプラットフォームサービス」は、企業ニーズが高く、実用性の高いAI機能30種をAPIとして提供する。AIの要素技術ごとに「知覚・認識」「知識化」「判断・支援」の3分野に分類された「基本API」を21種、業務でのAI活用をより容易にする機能やナレッジで構成された「目的別API」を9種、合計30種を提供。企業はその中から必要なAPIを選んで利用することで、AI活用システムを迅速に実現できるという。
第1弾として、「画像認識」「音声テキスト化」「知識情報検索」などの基本APIでは7種、「需要予測」などの目的別APIの2種を2017年4月より先行提供し、2017年度中に30種まで拡充するとのこと。
また、プラットフォームサービスの一環として、ディープラーニング基盤サービス「FUJITSU AI Solution Zinraiディープラーニング」を提供する。富士通研究所が開発したスーパーコンピュータの並列処理技術と、高速なディープラーニング処理を実現するソフトウェア技術、NVIDIAの最新GPU「NVIDIA Tesla P100」を実装することで、世界最速クラスの学習処理能力を実現。このサービスをベースに、最適なAPIと組み合わせて利用することにより、高速・高品質なAI活用システムを実現できるとしている。
さらに、AI活用における企画から導入、運用までをトータルに支援するサービスとして、専任コンサルタントが顧客企業の経営課題やニーズから最適なAI活用を導き出す「FUJITSU AI Solution Zinrai活用コンサルティングサービス」を提供。AIを活用したシステムの短期間での設計、構築を支援する「FUJITSU AI Solution Zinrai導入サービス」、AI導入後の学習モデルのメンテナンスを行う「FUJITSU AI Solution Zinrai運用サービス」も提供する。
ZinraiプラットフォームサービスとZinraiディープラーニング、Zinrai運用サービスは2017年4月から提供を開始し、それに先行して、活用コンサルティングは2016年12月、導入サービスは2017年2月より提供開始するとのこと。価格はいずれも個別見積もり。富士通では、AI関連ビジネスで2020年度末までに累計売上3200億円を目標としている。
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