セキュリティ脅威の金銭被害は20代と30代に集中――MS&AD調べ

MS&AD基礎研究所が個人ユーザー1000人を対象に、インターネットで経験したセキュリティ脅威や対応行動、被害などを調査した。

» 2016年12月14日 14時06分 公開
[ITmedia]

 MS&ADインシュアランス グループのMS&AD基礎研究所は12月13日、個人ユーザー1000人を対象に、インターネットで経験したセキュリティ脅威や対応行動、被害などを調査した結果について発表した。特に金銭的被害が20代、30代に集中していることが分かったという。

 まず経験した脅威は、メールの架空請求が48.5%と最も多く、ワンクリック詐欺が29.0%、アカウントの乗っ取り(自分のアカウントの乗っ取り)が26.5%と続く。脅威に気が付いたタイミングは、メールの架空請求やワンクリック詐欺では「その場で気が付いた」割合が高い一方、アカウントの乗っ取り(自分のアカウントの乗っ取り)では第三者からの連絡で気が付く割合が多い。脅威経験者のうち実被害に遭った人の割合は、アカウントの乗っ取り(自分のアカウントの乗っ取り)で65.7%、従来型ウイルスで62.3%と高かった。

経験した脅威と気が付いたタイミング(出典:MS&AD基礎研究所)

 脅威を経験した場合の行動は、メールによる架空請求や詐欺では「何もせず無視した」との割合が高い一方、電話による架空請求やランサムウェア、アカウントの乗っ取り(知人のアカウントの乗っ取り)では相手からの金銭要求に対して支払ってしまったという回答者が目立った。

 金銭要求に応じた回答者は20代、30代が多く、電話での架空請求やアカウントの乗っ取り(知人のアカウントの乗っ取り)に応じて支払ったとの答えが目立つ。30代男性ではランサムウェアやアカウントの乗っ取り(自分のアカウントの乗っ取り)に応じたとの割合も高い。

支払いに応じたケースの男女別・年齢層別割合(出典:MS&AD基礎研究所)

 金銭被害の状況は、5〜10万円程度の比率がランサムウェアで最も高く(35.5%)、メールによる架空請求やワンクリック詐欺でも20%台に上った。また、50万円以上では電話による架空請求が8.1%、ワンクリック詐欺が7.4%あり、ワンクリック詐欺では100万円以上支払ったという事例が1件あったという。一方、5万円程度までの少額被害の割合はフィッシング詐欺が最も高い。

 ウイルス被害(ランサムウェアおよび従来型ウイルス)は、ランサムウェアでは端末がロックされることによる操作不能や、データの削除、閲覧不能が多く、従来型ウイルスでは端末の不審な挙動が多い。感染時の対処は、男性の72.3%が自分で復旧させたと回答し、女性の44.1%は専門業者や知人の支援で復旧させたと答えた。

 調査は2016年11月、過去3年ほどの間に脅威を経験したとした男女500人ずつにインターネットでアンケートを行った。同社は、2016年に法人を中心としたランサムウェア被害の多発を受け、個人ユーザーの被害実態も把握する必要から調査を実施したと説明している。

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