マーケティングなどで企業が消費者のデータを利用することについて大半の消費者が不快感を示した。健康情報などを使った見守り・安全サービスでの利用には一定の肯定意見もみられる。
NTTデータ経営研究所は11月22日、「パーソナルデータの活用に関する一般消費者の意識調査」の結果を発表した。企業がマーケティングなどで消費者のパーソナルデータ(個人に関わる情報)を利用することについて、回答者の7割以上が不快感を示した。
調査は、企業が消費者のパーソナルデータ(個人に関わる情報)を用いてターゲティング広告などのビジネスを行うことへの消費者意識を解明する目的で実施したもの。NTTコム リサーチが8月にインターネットアンケートを行い、10代〜60代の男女1059人が回答した。
まず、企業がパーソナルデータを利用することへの印象については、48.9%が「知っており、不快である」、21.4%が「知らなかったので、不快である」と答え、計70.3%が不快感を示した。
一方で多くの回答者は、金銭やポイントなど対価を得られる条件なら個人データの提供に好意的である様子もうかがえる。特に趣味・嗜好や年齢・生年月日の情報では7割以上が「提供しても良い」とした。なお、年収・残高や株・債権、位置情報については約6割がどんな条件であっても提供したくないと回答している。データ提供の対価としては、500円以上1000円以下を適当とする回答者が最も多かった。
パーソナルデータを利用したサービスの利用意向については、健康情報など使った見守り安心・安全サービスと電力・ガス最適提案サービスの2種類で半数を超えたものの、その他は50%未満にとどまる。特に人材マッチングサービスは8割近くが否定的だった。
こうしたサービスを利用したくない理由としては、「自分の情報を知られたくない」「情報漏えいした場合のリスクが怖い」が多く、プライバシーやセキュリティへの影響を懸念する回答者が目立つ。また、「サービスに魅力を感じない」との意見も挙げられている。
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