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» 2017年08月24日 09時00分 公開

Mostly Harmless:Flashにとどめを刺したのは (2/2)

[大越章司,ITmedia]
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Flashを採用しなかったiPhone

 Adobeにとってのもう1つの誤算は、Appleが2007年に発表したiPhoneでFlashの使用を許可しないと発表したことです。Adobeは強引に反対しましたが、Appleは(というかスティーブ・ジョブズは)頑として聞き入れませんでした。

 この後、Flashの立場は急速に悪くなります。iPhoneがスマホで大きなシェアを獲得したため、iPhoneで見ることのできないFlashコンテンツをHTML5に置き換えようという動きが起きたのです。そして、スマホ向けサイトからFlashが消え始めました。

 2011年、ついにAdobeはモバイルデバイス向けのFlashの開発を中止します(Android版は作り続けていました)。この時点でも、PC用ブラウザのほとんどにFlashがインストールされている状況には変わりはなかったのですが、コンテンツ作成側にしてみれば、PC用とモバイル用のコンテンツを作り分けるのは面倒ですし、折しもモバイルファーストの波も押し寄せており、新たにFlashでコンテンツを作ろうと考える人は減少していったものと思われます。

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 ところで、なぜAppleはiPhoneでFlashをサポートしなかったのでしょうか? Appleの公式な見解では、技術的な問題としています。

 ただ、実は他に理由があるのではないかという話も聞こえてきます。

 この記事では、Flashにバグが多いと言っていますが、ジョブズが(かつては仲のよかった)Adobeが主力製品をWindowsに移植し、Macのサポートを後回しにしているといって不満を持っていた――という記事も読んだことがあります。また、この記事でも触れているように、代替手段としてHTML5が見えてきていたことも、ジョブズが強気に出た背景にあったのでしょう。

プロプライエタリを許容しない空気

 もう1つ思うのは、やはりインターネットの世界では、“私企業の技術を標準的に利用することに大きな抵抗があったのではないか”ということです。

 Flashはプラグインこそ無料で配布されていますが、オーサリングソフトは有償ですから、一企業の利益に直結しています。また、Adobeが買収する前のMacromediaは携帯電話(スマホの前ですね)用にFlashを有償で提供する方針を打ち出し、携帯電話メーカー各社がこれに反発したという経緯もあったようです。「最初は無償と言っておいて、後で何を言い出すか分からない」という疑念を招いてしまったのかもしれません。

 この、プロプライエタリをなるべく排除しようとする考え方は、今でもトレンドとして存在します。現在、多くの技術がオープンソースで提供されているのは、技術を囲い込むと周りから警戒されて普及が進まない、という側面があるからではないかと考えています。

どうする? 既存のFlashサイト

 実はFlashには脆弱(ぜいじゃく)性が多く、「Google Chrome」や「Mozilla Firefox」などは2016年くらいから段階的にFlashコンテンツを表示しないようにしてきています。2020年のサポート終了以降は一切表示しないようにするようですが、一方で、私が心配するのは、いまだにFlashのままでコンテンツを配信しているWebサイトが多数あることです。

 作ってしまったものを変えるのは大変だとは思うのですが、このままだとどこにも表示されなくなります。ChromeやFirefoxでは既に表示されていないかもしれません。言わずもがな、iPhoneでは最初から全く表示されません。

 それなのに、なぜそのまま放ってあるのでしょうか? 今、無頓着にFlashを使い続けているサイトが、2020年までになんとかしようと思っているとはちょっと考えにくいように思います。「Windows XP」のサポート終了時のような騒ぎが起きないことを願います。

著者プロフィール:大越章司

外資系ソフトウェア/ハードウェアベンダーでマーケティングを経験。現在はIT企業向けのマーケティングコンサルタント。詳しいプロフィールはこちら


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