ポスターやモノが話しかける――リアルな音源方向を実現する音響AR技術、NECが開発

NECが、ヒアラブルデバイスを活用した新技術として、顔の向きや移動方向に関係なく、音源を任意の位置で固定する音響AR技術を開発した。

» 2017年09月26日 11時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 NECは9月25日、ヒアラブルデバイス(ワイヤレスイヤホン)を活用し、現実世界に音情報を付与する音響AR(拡張現実)技術を開発したと発表した。マーケティングの高度化、業務効率化、案内サービスの提供などを実現するという。

 この技術は、3次元的な音の方向感や距離感などを仮想的に再現することで臨場感のある音場を表現する「立体音響」と、ヒアラブルデバイスに搭載された9軸モーションセンサーを活用して顔の向きや移動方向に関係なく、音源を任意の位置に固定する「音響定位」をワイヤレスで実現する。

 例えば、施設内で展示品やポスターなどのモノが個人に直接話しかけるといった個人のニーズに沿ったプロモーションや、人それぞれの目的に沿った誘導や道案内などに活用できるという。

Photo 音響AR技術のイメージ
Photo 音響AR技術の活用イメージ

 また、ヒアラブルデバイスから得られる生体情報や音声、活動状態などに関する情報を活用することで、生活や仕事におけるさまざまな活動を妨げることなく、サービスの利用が可能になるとし、例えば、スマートフォンの画面の注視により思わぬ怪我や事故につながりかねない「歩きスマホ」の対策にも貢献するという。

 NECは、同技術を、これまでに発表した耳音響認証技術や屋内位置測位技術といったヒアラブルデバイス関連の技術、バイタルセンシング技術などと組み合わせ、ヒアラブルプラットフォームサービスとして、2018年度の事業化を目指すとしている。

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