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» 2017年12月21日 08時00分 公開

SaaS型ERP導入に失敗しないための「5つのポイント」:第2回 SaaS型ERPの導入で新規導入コスト、保守コストを削減できるって本当? (2/2)

[徳永康邦/KPMGコンサルティング,ITmedia]
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保守運用時のコスト

 一方、保守運用時の直接的なコストであるオンプレミス型ERPの保守料とSaaS型ERPのサブスクリプションフィー(利用料)を比較すると、システムを利用する期間によって合計金額の大小が変わるため、どちらが有利だと一概には言えません。

 しかし、時系列で隠れたコストに着目すると、オンプレミス型ERPでは、日々の問い合わせ対応、継続的な機能改善、法制度対応、システムダウンやパフォーマンス低下にかかる対応、セキュリティ対策、さらには数年に1度の大規模なバージョンアップなど、自社で運用するための隠れたコストが発生するため、総合的にみて、SaaS型ERPの方が保守運用コストを削減できると考えられます。(図3参照)

Photo 図3 オンプレミス型ERPとSaaS型ERPのTCO比較:時系列

コスト削減効果を確実に享受するために

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 このように、SaaS型ERPにはコスト削減効果がありますが、この効果をより確実なものとするためには、

  • 標準機能の活用: 業務をSaaS型ERPに合わせることによって追加開発をなくし、新規導入・保守運用コストが膨らまないようにすること
  • スケールメリットの追求: 子会社を設立する度に、IT部門のリソースを雇用し、新システムを構築するのではなく、SaaS型ERPをグループ共通システムとして活用できないか検討すること
  • IT部門の役割の見直し: SaaS型ERPの導入により、浮いた工数をより優先度の高いタスクに振り向けるための計画を立案し、実行すること

などに留意して取り組むことが重要です。

著者プロフィール:徳永康邦

 国内大手航空会社IT企画部門を経て、外資系大手ERPベンダー、外資系大手コンサルティングファームにおける10年以上のコンサルティング経験を有し、財務会計・管理会計領域を中心とした業務改革・システム構築プロジェクトのコンサルタントとして数多くの実績を有する。現在、KPMGコンサルティングのFinance Transformation 部門において、クライアントの業務改革・システム構築プロジェクトの推進を行っている。


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