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» 2018年02月14日 07時00分 公開

半径300メートルのIT:4K時代にクラウドは不向き? 求む、現代の“MO的”ディスク (2/2)

[宮田健,ITmedia]
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1カ月のファイルがギガバイトクラスの時代、どう保管する?

 しかし……現在では仕事のファイルも、個人のファイルも、リッチな画像や動画をやりとりすることが増えています。特に写真の場合、後々の修正を考えてRAW形式で撮影すると、その容量は1枚10メガバイト級になります。つまり、1回の仕事で10ギガバイトを超えるファイルができてしまうので、1カ月分のバックアップを作るのにBlu-ray Discですら足りないのです。

 写真や動画はスマートフォンで写真撮影して、たまに旅行でデジカメを引っ張り出して……という普通の人なら、全てを「クラウド」に置いてしまうのがおすすめです。有料プランであれば1テラバイト程度は保存できるので、何も考えずそこに置けるような仕組みを使うのがもっとも便利でしょう。

 しかし、わが家は残念ながらそれでは容量が足りません。そんなヘビーユーザーは、ストレージ不足にとても悩んでいるのではないでしょうか。

ランサムウェア対策にはバックアップ! とはいうものの……

 試しにわが家のデータの棚卸しをしたところ、過去に撮影した写真がトータルで約5テラバイト(!)、文書などのファイル群が約2テラバイト、そして音楽ファイルが約1テラバイト存在することが分かりました。このサイズだと、クラウドにアップするのは現実的ではなく、現在はNASと呼ばれる小さなサーバを使って管理しています。しかし、そのNASもバックアップが必要で、一時期は複数台のNASを運用し、無停電電源装置まで設置して保護をしていました。こんなのはもはや一般人を逸脱した「逸般人」にしかできないことだなぁ、と自虐的に見ています。

 過去に撮影した写真などは、本来ならCD-RやDVD-Rのような、「オフラインの保管メディア」に入れておき、本当に必要なときだけ読み込めればいいはずです。本来はそういった可搬性のある保管メディアがあればいいのですが、今、購入できるそういった大容量メディアはBD-R(25〜50ギガバイト程度)くらいしかありません。今のPCで、BD-R内蔵モデルがどのくらいあるかと考えると……これも非現実的でしょう。

 結局、最近はNASを併用しつつ、「今、購入できる最大容量の“ポータブル”HDD」を買い込んでいます。ポータブルを選んだ理由は、ケーブル1本で簡単につながるので、バックアップをしようという気になれるから。最近はかなり安価になって、4テラバイトのモデルも2万円台で購入できるようになりました。

 振動対策などは不安が残るものの、現実的に唯一の「大容量可搬メディア」です。これなら、USBのポートさえあれば、どんなPCからでもアクセスできるのも安心です。

 これまで、「ランサムウェア対策にはバックアップ」という話を本コラムで何度も取り上げてきましたが、「肝心のバックアップメディアが選べない」というセミプロユーザーも多いと思います。

 本来ならばクラウドストレージが安価になり、通信回線が太くなればいいのですが、今は過渡期ともいえる状況で、そういうわけにもいきません。

 そう考えると、1990年代の「MOディスク」のような、「バックアップやデータの受け渡しは任せろ!」というメディアが出てくれるとうれしいのですが……。個人的には「Archival Disc」がコンシューマー向けに出てきたらうれしいのですが、何年たっても出てこないということは、ニーズがないのかもしれません。

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

デジタルの作法 『デジタルの作法』

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。

筆者より:

2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。

これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。


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