5000万人のユーザーデータを流出させてしまったFacebook。普段からSNS中毒を自覚している私も、少しFacebookと“距離を置こう”と考えました。とはいえ、いきなりアンインストールするのも現実的ではありません。何から始めればいいのでしょうか。
また悩ましい事件が明らかになりました。2013年に作成された、Facebookのとある「診断系アプリ」が収集した、約5000万人分のユーザーデータが2015年に不正に流出。それが報道されたことで、Facebookが窮地に立たされています。
問題はその診断系アプリを利用した人だけでなく、利用した人の友達の情報まで流出してしまったということ。以前から伝えられている通り、SNSにおいては「いくら自分が防御しようとしても、友達が流出元になり得る」というリスクがまた繰り返されてしまいました。この事件の概要を詳しく知りたい方は、こちらのコラムをどうぞ。
このような“個人情報の活用”という名の漏えいについては、「個人レベルではもうどうしようもない」というのが私の考えです。
せめてもの対策としては、上記コラムのまとめにもあるように、自分の情報をどこまで他人が活用可能なのかをきっちり設定し、定期的にアプリ連携情報を見直すことくらいでしょう。このコラムでも紹介した「年に一度のSNS大そうじ」ともいえるものですが、現在では年に一度と言わずに、月に一度、むしろ「連携アプリを設定した直後」に行うべきかもしれません。
今回の事件では、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOが謝罪を行うなど、同社に非難が集まっていますが、問題となったのは「Facebookのアプリで収集されたデータを、研究目的以外のことに使われた」ことであり、Facebookだけが悪いというわけではありません。そして、診断アプリが“友達”の情報を得ること自体も、当時の規約上では問題ありませんでした。しかし、それが学術的な研究目的以外で利用された点については完全にアウトです。
情報漏えいというと、プログラムの脆弱性を突いて悪いハッカーがごっそりと情報を盗んでいく……という印象を持っている人が多いとは思いますが、今回のように「ルール」を破り、収集済みの情報を転用したり転売したり、それを基に全く異なるビジネスを展開するというケースもあり得るわけです。
特に、Facebookにおける「いいね!」は、個人の趣味や嗜好が色濃く反映されています。今回の事件では、まさにこの“嗜好”が悪用され、フェイクニュースに反映されていたといわれています。これはちょっと気味が悪いですよね。
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