NoOpsのコミュニティーイベントに“Opsの味方”が登場 「NoOps? よろしい、ならば戦争だ」NoOps Meetup Tokyo #1(2/3 ページ)

» 2018年09月21日 10時00分 公開
[新野淳一Publickey]

NoOpsを推進する3つのパターン

 もう少し冷静に、OpsとNoOpsに関する現状認識をお話ししたいと思います。NoOpsは新しく作るシステムでは実現しやすいのですが、既存のシステムをいくつも抱えている組織では、難しい面が残ると思います。

 SRE(Site Reliability Engineering)という組織を作る企業も増えていますが、従来型の運用も残っています。運用の自動化や無人化も進んでいますが、その裏側では人間が関わっていて、システムが壊れた際に自動でリカバリーできる仕組みがあったとしても、その仕組み自体が壊れたときには人間が関わらなくてはいけません。

 こうしたことを踏まえると、NoOpsを推進するパターンは3つあると思います。1つは「グリーンフィールド」で、新しく作るシステムでアプリ開発者が「Uncomfortable Ops」をなくすように設計、実装する方法です。

 ただし、これで運用が完全になくなる、というわけではないと思います。例えば、企業内の運用チームや外部のMSP(マネージドサービスプロバイダー)などに依頼して、そのシステムが外から見て正常に稼働しているかどうかを監視すると思いますし、何か起きたときには、誰かが一時対応するケースは多いのではないかと思います。

photo

 2つ目は、運用者自身がNoOpsをやっているパターンです。運用する人が日々自分のやっていること、プロセスを見直して「これはいらないよね」という改善をしている人たちです。こういう話をすると「自分で自分の仕事をなくしているのでは?」という人もいますが、自分たちが楽をするためにどんどん改善しようとする人は多いです。

photo

 最後のパターンがSREの組織化です。よりプロアクティブに、能動的に、アプリケーションの作りに対して「こういうふうにすると楽ですよ」といった働き掛けや要請が高まります。

 SREを作ってプロアクティブに対応するか、リアクティブな対応も含めて一つの組織として運用チームも一体化するか。どちらが多いかは今揺れているころかなと思います。つまり、何が言いたいかというと、NoOpsはやりたい人だけでは閉じない。周囲にいる人、特に運用をやっている人をいかに味方にするかが大事だということです。

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ