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» 2021年01月29日 10時00分 公開

新卒3年目のリーダーが挑むAI市場、HPEの組織改革と課題解決のアプローチ

圧倒的な量のトランザクションをさばき高速かつ正確なデータ処理が求められるAI基盤には、過去複数のジャンルですみ分けされてきたさまざまな計算機性能と技術が同時に求められる。こうした市場の変化に、HPE自身も体制を刷新して挑むことになるようだ。

[原田美穂,ITmedia]

 AI(人工知能)基盤には、複数のジャンルをまたぐ計算機性能と技術が求められる。スパコンで培った技術を基幹系ミッションクリティカルシステムに生かし、ミッションクリティカルシステムが持つ確実性をAI向けのシステムに適用するような用途はこれからさらに広がると考えられる。こうした市場の変化に組織をフィットさせるために日本ヒューレット・パッカード(以降、日本HPE)が新たな施策を託したのは「AIネイティブ」世代のリーダーだ。

 日本HPEがAI向けの製品ポートフォリオを強化する。併せて、AI関連ソリューションのセールス体制も強化する。従来、別々の部門が担当してきたHPC、AI、ミッションクリティカルシステムのセールスを一つの部門に統合した。

AIのあらゆる要件を一元的にカバーする「HAM括」部門

  日本HPEでAI関連ソリューションを担うのはHPC&AI/MCS事業統括だ。MCSはミッションクリティカルシステムを指す。従来、学術分野などで使われてきたHPCと金融や公共分野で引き合いの多いミッションクリティカルシステム、出口アプリケーションの選択肢が多いAIは全く異なる顧客を対象とすることから販売体制も分かれていた。だが、直近の情報システムへの要求はこのようなセグメントで見ていては対応できないとして、HPC&AI/MCS事業統括という組織が生まれたという。同社 HPC&AI/MCS事業統括 取締役執行役員の根岸史季氏はHPC&AI/MCS事業統括の位置付けについて、次のように説明した。

 「基盤ハードウェアの構成はどの要件であっても大きくは変わらないが、今まではミドルウェアの実装で、信頼性かパフォーマンスかといった要求に対応してきた。顧客のセグメントは異なるが、そもそも扱うビルディングブロックは一緒。昨今のトレンドとしてAIを前提としたワークロードで求められるシステム構成を考えると、信頼性や性能、トランザクショナルなデータを非構造データと重ね合わせながらハイパフォーマンスな環境で分析したり、エッジからデータを取得したりするといったように、AI向け要件の場合はそれらを融合した特性が求められる。HPC&AI/MCS事業統括(通称:HAM括)が生まれた背景はこうした事情にある」

1 HPEが持つAI関連のポートフォリオは多岐にわたる

新卒入社3年目のBUリーダーを中心に組織横断でAIによる課題解決を目指す

 日本HPEは、2020年に部門横断での課題解決を目指す姿勢を示す象徴的な組織として、全社横断でAIビジネスを推進するチームを立ち上げている。

 この全社横断AIビジネス推進チームをリードするのが、HPC&AI/MCS事業統括のAIビジネスデベロップメントマネージャーである山口涼美氏だ。新卒入社3年目にしてAI Cross-BUのリーダーの任に就いた。HPE Japan AI Cross-BUアンバサダー、HPE Global AIアンバサダーも務める。

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