「2段階認証」スマホなくしても突破可能? “カオス”を体験しその時に備える半径300メートルのIT

企業において、稼働中のサービスに意図的に障害を起こし、復旧の訓練をする「カオスエンジニアリング」という手法の採用が進んでいます。ただいきなりこの手法を実践するのも難しいと思うので、まずは個人から始めてみましょう。

» 2021年07月13日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 先日、非常に楽しみにしていた作品が配信サービスで提供されたため、サブスクリプション費用に加えて先行配信分の課金をして準備万端で臨んだところ、再生を押しても一向につながらず……ということがありました。

 恐らく週末の夜、同じことを考えた方からのアクセスが集中し、サービスに不具合が生じたのかと思います。システム担当者はきっと頭を抱えていたでしょう。

 そこで思い出したのは、日本でも多くの利用者がいる動画配信サービス「Netflix」です。Netflixは以前から、サービス稼働中に“意図的に”障害を起こす訓練をしています。これに利用されたツール「Chaos Monkey」は、オープンソースとして公開されています。

 「カオスエンジニアリング」と呼ばれるこの手法は、国内企業でも導入が進んでいます。この手法を取り入れるには、経営者の理解も必要ですので、「カオスエンジニアリングを採用する」と宣言できること自体、システム運用の自信があると思ってもいいのかもしれません。

 稼働中のサービスを一時的、部分的に停止する可能性があるため、気軽に「カオスエンジニアリングを導入しましょう」とは言えませんが、もしもの場合に備えてまずは「個人」から、これを実施していくのはどうでしょうか。

個人のIT利用 最悪の状況を想定して“カオス”を実践しよう

 カオスエンジニアリング自体はサービス提供者側がサービスの安定稼働を目指して実施することが一般的です。これを、サービス利用者側の視点から「サービスを利用し続けられること」を想定してテストをするとどうなるでしょうか。

 サービス利用者側の視点からのカオスエンジニアリングについてごく簡単に言うと、利用できると思っていたサービスに対して、想定外の障害やエラーが発生したことを想定して操作したときに、それでも確実にサービスを使い続けられるかをどうかを試すことといえるでしょう。

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