システムのモダナイゼーションはなぜ失敗するのか? 3つの過ちから考えるCIO Dive

システムのモダナイゼーションはDX推進を目指す多くの企業が抱える悩みだ。これを効率的に進めるためには典型的な3つのミスを回避する必要があるという。それは何か。

» 2021年09月03日 07時00分 公開
[Kyle TubersonCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

 何十年もの間、時代遅れのITインフラが政府機関や民間企業のビジネスプロセスを滞らせ、ミッションの目的達成を阻んできた。

 近年、特に公共部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が大きく進んでいる。データプラットフォーム「Statista」に掲載された調査(注1)によれば、2020〜2024年におけるDXへの直接投資は総額7.8兆ドル(約858兆円)に達すると予測される。これらの取り組みには高額な国家予算を投じられているため、組織は独自の観点でDXについて検討し、失敗する可能性のある要因に注意を払う必要がある。

 多くの政府機関や企業は、情報システムの近代化に向けて意欲的な目標を掲げている。DXを推進するミッションリーダーたちは、データの断片化や相互運用性の深刻な欠如に対応するため、必要なアプリケーションを作成し、エンドユーザーの体験を向上させるアジャイルなプラットフォームを必要としている。

 このようにCIO(最高情報責任者)は、先進的なテクノロジーを駆使してビジネスプロセスを最適化したいと考えているが、途中で起こり得る障害への備えが不十分なことも多い。

 最高の結果を得るには、DXの問題点を十分に理解してそれをどのように軽減するかが重要だ。本稿ではDX推進における典型的な3つのミスを紹介する。

ミス1:組織を総合的に評価していない

 CIOは多くの場合、組織を総合的に評価せずシステムのモダナイゼーションに踏み切ってしまう。ミッションリーダーはモダナイゼーションに着手する前に、現行システムの長所と短所を検証し、既存のワークフローとプロセスを確認する必要がある。

© Industry Dive. All rights reserved.