デジタル「後払い」で競争激化 注目の大手StripeとKlarna連携のインパクトはPayments Dive

デジタル決済市場で注目の2社が手を組んだ。グローバル規模のオンライン決済インフラを手掛けるStripeと、スマホを使った買い物向けの「後払い」機能で人気を集めるKlarnaだ。関係者が「決済のパフォーマンスを大幅に向上させ、オンラインの消費行動を成長させる効果がある」と意気込む提携の中身は。

» 2021年11月29日 07時00分 公開
[Lynne MarekPayments Dive]

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Payments Dive

 電子マネーの普及やコロナ禍による非接触型の決済ニーズに後押しされ、企業や公的機関の間でオンライン決済サービスの導入が伸びている。中でも注目の大手であるStripeが、世界各国で利用される後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)アプリケーションで注目を集めるKlarnaと大規模な協業を発表した。

 Stripeは2021年10月、オンライン決済アプリケーション「Klarna」を手掛けるスウェーデン発のKlarnaと共同で、オンラインの決済インフラ「Stripe」をKlarnaユーザーの後払い決済に連携させたと発表した。

 Stripeは米国のサンフランシスコとアイルランドのダブリンに本社を置き、20カ国で数百万社のユーザー企業に提供する。オンラインショッピング向けに世界規模から決済を受け付けられるインフラを構築し、欧米を中心にAmazonやMicrosoftといった大企業を顧客に抱え、シェアを伸ばしている。

 Klarnaはクレジットカードや銀行口座と連携した直接決済に加えて「Pay in 30 days」(1カ月後の後払い)や「Pay in 4」(4分割払い)といったBNPLサービスを提供し、同社の公式Webサイトによれば、米国だけで1500万人、17カ国で9000万人の消費者に利用されている。

KlarnaのBNPLサービスでStripeの決済処理を使える地域は、米国とカナダからさらに拡大するという(出典:StripeのWebサイト)

競争激化のデジタル「後払い」市場 注目の2社が提携するインパクトは

 両社のプレスリリースによれば、StripeはKlarnaを消費者向け決済の「優先支払いパートナー」に指定した。消費者が買い物でKlarnaのBNPLサービスを利用すると、Klarnaが支払いをいったん建て替え、残りの決済処理をStripeが請け負うという。

 「Klarnaは、Stripeの最初の試験導入で決済の信頼性とパフォーマンスが大幅に向上したことを認め、当初の計画よりも多くの決済をStripeに移行することを決定した」とリリースは伝えている。Klarnaは、米国とカナダで実行する決済の約90%をStripeで処理する計画だ。両社は今後、現在展開する米国とカナダから、より多くの国に連携先を広げるという。

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