エンジニアは法律を、そして現状を学ぼう 「自分は関係ない」では済まされない理由半径300メートルのIT

年末年始読者の皆さんはどう過ごされたでしょうか。筆者は1冊の本を読んでセキュリティと国内の法律に関する学びを得ました。「エンジニアはITの知識だけあればいい」という時代は過去のものとなりつつあるのかもしれません。

» 2022年01月11日 07時00分 公開
[宮田健ITmedia]

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 本連載はアイティメディア内で転々としつつ、2022年で9年目を迎えます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 皆さんは年末年始どのように過ごされたでしょうか。筆者は、齊藤貴義氏とIPUSIRON氏が執筆した『Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ』という本を読みました。

 クラウドファンディングを募って出版された同書籍は、サイバー犯罪関連法の問題点を「Wizard Bible事件」「Coinhive事件」「アラートループ事件」という3つの事例から明らかにしたもので、当事者への貴重なインタビューも含まれます。筆者はクラウドファンディングに参加して書籍版を入手しましたが、現在は一般販売でも入手可能です。

Wizard Bible事件から考えるサイバーセキュリティ

 先に挙げた3つの事件は、サイバー犯罪関連法の曖昧さが“えん罪”を引き起こしたと言い切れるケースです。サイバー犯罪を取り締まるために作られた法律が間違った方向に進めば、セキュリティ業界の萎縮につながる可能性があるということは随分前から懸念されていましたが、この本を読むとそれが現在進行形で起きていることだとだと分かります。読めば読むほど、国内で発生するサイバー犯罪の取り締まりにさまざまなハードルがあることを知れる良書ですので、セキュリティに関わる全ての人はぜひご一読ください。

求められるセキュリティレベルが格段に上がる時代

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