Broadcomによる買収の影響はいかに? “新生”シマンテックはどこに向かうのか

Broadcomは2019年にSymantecのエンタープライズ事業を買収したが、これによって製品ポートフォリオにはどのような変化が生まれたのか。BroadcomとSB C&Sが製品ポートフォリオの詳細と日本の顧客に対する支援体制を説明した。

» 2022年08月02日 07時00分 公開
[鈴木恭子ITmedia]

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 Broadcomは2022年7月27日、都内で報道関係者向けのカンファレンスを開催した。同社は2019年にセキュリティ企業Symantecのエンタープライズ事業を107億ドル(約1兆14552億円/1ドル136円換算)で買収し、ソフトウェア事業におけるセキュリティポートフォリオの拡充を図っている。

 買収以降、Symantecが製品ポートフォリオについて日本で説明するのは今回が初めてのことだ。“新生”Symantecの詳細に迫った。

“新生”Symantecはクラウドネイティブで包括的な機能を提供

 今回のカンファレンスは、Broadcomの1次代理店であるSB C&Sと共同で開催された。最初に登壇したBroadcomでSymantec製品管理責任者を務めるマイケル・ダビンスキー(Michael Dubinsky)氏は、買収後にBroadcom Softwareブランドに統合されたSymantec製品の最新ポートフォリオと事業戦略を説明した。

BroadcomでSymantec製品管理責任者を務めるマイケル・ダビンスキー(Michael Dubinsky)氏

 ダビンスキー氏は冒頭、Broadcomがエンジニアリング文化を重視していることを強調し、従業員の80%以上が研究開発関連の業務に従事し、売上高に占める研究開発投資の割合が14%であることを説明した。Symantec事業だけを見ると、同割合は20%超になる。同氏は、買収前からSymantecが保有する特許件数が3200件以上であることや、金融や通信、自動車といった基幹産業の上位10社全てに同社の製品が導入されていることを紹介し、「買収後も長年培った技術的な優位性は変わらない」と強調した。

 Symantecの変遷を振り返ると、同社自身が買収によって製品ポートフォリオを拡充してきた歴史がある。ダビンスキー氏自身、2019年に買収されたイスラエルのセキュリティ企業Luminate Securityの創業者だ。Luminate Securityは早期よりゼロトラストを前提としたネットワークアクセスソリューション「Luminate」の開発元であり、Broadcom傘下に加わった現在は「Symantec Secure Access Cloud」のコア機能として組み込まれている

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