自動運転車は実現するのか。米国ではその現実味が増加する中、課題も残る。Waymoやその他企業のこれまでの取り組みと今後の展望は。
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自動運転車を開発するWaymoは2022年8月26日(現地時間)、今後数週間のうちにアリゾナ州フェニックスの公共フリーウェイやテキサス州ダラスと同ヒューストンをつなぐ州間高速道路で自律走行トラックをテストするとTransport Diveに伝えた。このテストでは運転席に人が座るが、人の操作を必要としないレベル4の自律性で走行する(注1)。
Waymoの広報担当を務めるジュリア・イリーナ氏は、「Class 8(車両総重量が約15トン以上)のトラックで実施するWaymo Driverプラットフォームのテストは、自律走行トラックの普及とAV(Automated Vehicle)トラック業界にとって重要な前進だ」と述べた。
Waymoが実施する今回のロードテストは、同社が追求する商用利用可能な冗長システムの実現に向けた一つのマイルストーンだ。
イリーナ氏は、「冗長ブレーキやステアリングなど、完全自律走行に必要な冗長安全機能を全て備えたトラックを簡単に作ることはできない」と述べ、その機能の複雑さを飛行機や病院のバックアップ電源システムに例える。
Waymoは何年も前からトラック技術に取り組んでおり(注2)、2019年に初めて試験的に導入した。2020年にはDaimler Truck Holdingと同社の大型セミトレーラートラック「Freightliner Cascadia」について提携し(注3)、2021年に冗長機能をロールアウトした(注4)。
Alphabet傘下のWaymoは、その自律走行機能が今後数年で米国のフリート顧客(複数台車を所有する顧客)に提供されると予測する。
テストに伴い、各社は安全システムや機能をアピールしている。Kodiak Roboticsは2022年5月に、問題が発生したときに車を止めるシステムの能力を実証した(注5)。TuSimpleは2021年12月にアリゾナ州で世界初となる完全自律走行型セミトラックの走行を完了し、Class 8トラックが無人状態で道路や高速道路を走行した(注6)。
各社がこれらのマイルストーンを達成しても、問題はまだ発生している。TuSimpleは2022年4月にアリゾナ州でのテストで、テストドライバーと安全のためのエンジニアが自律走行モードに再突入しようとした際に高速道路の障壁に衝突したことを第2四半期の決算説明会で認めている(注7)。連邦政府の報告書によると(注8)、自律走行車全体での衝突事故は2021年7月〜2022年4月の間に129件発生した。
この事故を受けて同社のシャオディ・ホウCEO(最高経営責任者)は、調査や原因究明、システムのアップグレードを行ったと投資家に伝えた。
「過去7年間で810万マイルのロードテストを行い、TuSimpleトラックが原因となる事故は1件だった」
初出:Transport Dive「Waymo to test autonomous Class 8 trucks in Arizona, Texas」
注1:United States Department of Transportation「Automated Vehicles for Safety」
注2:Supply Chain Dive「Waymo expands self-driving technology to Class 8, last mile delivery trucks」
注3:Daimler Truck「Daimler Trucks and Waymo partner on the development of autonomous SAE Level 4 trucks」
注5:Transport Dive「Autonomous trucking companies seek to show automation is road-ready」
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