HPEが進める「データファーストモダナイゼーション」予告済み機能のリリースが発表に

HPEがハイブリッド/マルチクラウドの運用支援を強化する。プライベートクラウド「GreenLake」の運用セオリーを軸に、ハイブリッドクラウドにおけるアプリケーションポータビリティやモダナイズを進める機能強化が具体的に見えてきた。

» 2022年12月12日 12時30分 公開
[原田美穂ITmedia]

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 ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)が「HPE GreenLake for Private Cloud Enterprise」と「HPE GreenLake for Red Hat OpenShift Container Platform」の提供をアナウンスした。2023年初旬に販売を開始する。

 併せてデータマネジメント機能「HPE GreenLake for Data Fabric」、データ分析機能「HPE Ezmeral Unified Analytics」の早期アクセスプログラムも開始する。これらは2022年6月の年次グローバルイベントで発表され、提供が予告されていたものだ。データ関連の機能についてはハイブリッドクラウド環境における本番ワークロードの「データファーストモダナイゼーション戦略」を推進する狙いがあるとしている。

EKS向けのデプロイメントや運用もGreenLakeからシンプルに利用可能に

 HPE GreenLake for Private Cloud Enterpriseにおいては、KubernetesのコンテナデプロイメントオプションにAmazon EKS Anywhereが加わる。パブリッククラウドとオンプレミスでコンテナランタイムを共通化することで、アプリケーションワークロードのポータビリティを向上させ、ハイブリッドクラウド全体を一貫性のあるオペレーションで運用できるようにする。プライベートクラウドと同様にInfrastracture as Code(IaC)でDevOpsや継続的インテグレーション/デリバリー(CI/CD)の運用も可能になる。プライベートクラウドからパブリッククラウドに延伸しても、課金体系はワークロードごとにチューニング済みのインスタンスを利用するため、ベアメタル、仮想マシン、コンテナを問わずシンプルな価格体系で利用できる仕組みだ。

 HPEはこれらの展開によって、コンテナ基盤であるHPE GreenLake for Red Hat OpenShift Container Platformとハイブリッドクラウド基盤である「HPE GreenLake for VMware」の展開を含むパートナーエコシステムの勢いを拡大するとしている。この発表と合わせてクラウドコストの分析環境も強化した。HPE GreenLakeプラットフォームの消費分析と合わせて、主要パブリッククラウド基盤のアプリケーションの使用状況とコストも一元的に把握して改善に取り組めるようになる。

 HPE GreenLake Marketplaceでは、コンテナ基盤「Red Hat OpenShift Container Platform」のHPE GreenLake版である「HPE GreenLake for Red Hat OpenShift Container Platform」と「VMware Cloud」のGreenLake版である「HPE GreenLake for VMware」も公開した。いずれもGreenLakeのプロダクトポートフォリオに統合されており、GreenLakeの運用プロセスや料金体系の中で利用できる。同時にデータマネジメント機能HPE GreenLake for Data Fabric、Kubernetesをベースとしたデータ分析機能群HPE Ezmeral Unified Analyticsを新しい早期アクセスプログラムを通じて提供を開始する。早期アクセスプログラムは現在参加者を募集中だ。

 HPEはこれらの発表をアプリケーションモダナイゼーションをデータを軸に推進する「データファーストモダナイゼーション」推進の一環だとしている。データドリブンな意思決定のために、ガバナンスを強化しながら事業推進に最適なアクセシビリティを実現するアプローチだ。

データファーストな組織の成熟度レベル(出典:HPEのWebサイトより)

 HPEが持つAruba資産の統合を進める「HPE GreenLake edge-to-cloudプラットフォーム」についてもアップデートがあった。2022年6月にArubaのエッジデバイス管理コンソールである「Aruba Central」をGreenLake基盤に統合する計画が発表されており、仮想テストドライブを公開している。

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