Google CloudとAccenture 小売業向けのクラウド技術活用の支援を拡大

Google CloudとAccentureは小売業向け技術を統合を統合すると発表。3つの新機能・利点があるが、本当により高い価値をユーザーに提供できるか。

» 2023年02月17日 10時01分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 Google Cloudは2023年2月15日(現地時間)、Accentureが提供する「ai.RETAIL」にGoogle Cloudの小売業向け技術を統合すると発表した。ai.RETAILは、小売業者がデータと人工知能(AI)をより効果的に活用し、顧客獲得や価格設定、プロモーション、サプライチェーンなどの一般的なシステムやプログラムを最適化できるよう支援する統合ソリューションだ。

Google Cloud向けai.RETAILの新機能とメリット

 今回の発表によれば、Google Cloudにai.RETAILを実装することで、ユーザーは以下の新機能と利点を享受できるようになる。

サプライチェーン分析の一元化

 ai.RETAILにはAccentureのインテリジェントサプライチェーンプラットフォームを利用したサプライチェーンコントロールタワーが搭載される。「Looker」「BigQuery」 などと統合することで、ユーザーはデータを適切に整理し、調達や物流、在庫、販売などのサプライチェーン指標をリアルタイムに表示できる。小売業者は「what if」シミュレーションの実行や需要予測の調整、在庫計画の改善、サプライチェーンセグメンテーションの戦略策定を実行できる。

パーソナライズされた顧客体験

 ai.RETAILはGoogle Cloudの小売業向けDiscovery AIソリューションを活用し、買い物客が画像で商品を見つけやすくなるように支援する。Accentureの「Customer Data Architecture」およびGoogle Cloudの「Customer Data Platform」の統合で、小売業者はデータのサイロ化を解消し、AIや機械学習(ML)を用いた予測型マーケティングを推進できる。

品ぞろえの最適化

 BigQuery、Looker、「Vertex AI」を使用するai.RETAILは、新たに店舗クラスタリング機能を搭載し、同様の特性を持つ店舗を特定やグループ化、最適化、スペース管理、在庫戦略などの改善を支援する。これには特定商品の維持や削減、排除するかどうかの推奨なども含まれ、個々の店舗または店舗クラスタでフィルタリングし、全体的な販売実績の向上に寄与できる。

 Google Cloudのキャリー・タープ氏(小売・消費ソリューション部門 バイスプレジデント)は「小売企業は自社のビジネスを総合的に分析し、機能の境界を越えて価値を創造できるソリューションを求めていますが、サイロ化したデータやレガシーインフラストラクチャによって制限されることがあります。Accentureとの連携で小売業者はGoogle Cloudテクノロジーを最大限に活用し、今日の複雑な市場環境に対して継続的にビジネスを最適化するツールや機能を使用できます」とコメントしている。

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