プラグイン対応が可能になったOpenAIの「ChatGPT」と提携を決めたOpenTable。新機能を導入することで店舗の情報を簡単に入手でき、飲食店の集客支援が期待できる。ただし、その情報が正確とは限らない。
OpenTableは、レストラン予約ツール「OpenTable」でお勧めのレストラン情報を提供する新しいプラグイン機能を通じて、OpenAIのbotである「ChatGPT」と提携したと、同社のブログ記事で発表した(注1)。この機能は、OpenAIが実験的に開始したプラグインの一部で、食料品の即日配達サービスを運営する「Instacart」の拡張機能も搭載している(注2)。
「この提携は月額制の『ChatGPT Plus』に加入した米国とカナダのユーザーの一部から徐々に展開していく」と、OpenTableの広報担当はメールで伝えた。テスト期間を経て、より多くの消費者に提供される予定だという。
OpenTableは「ChatGPTと提携する最初のレストランテック企業」と述べている。同社の姉妹会社である旅行検索サービスの「Kayak」もフライトやホテル、レンタカーのお勧め情報を提供するためにbotを導入している。
ChatGPTは、「今年の母の日に母を連れて行ける、チャールストンでレビューの高いブランチスポットはどこ?」といった消費者からの問い合わせに対して、OpenTableでの予約ページへの直リンクを提供する。botは、消費者と最新のレストラン情報を共有し、レストラン予約の選択をサポートする。
「このプラグインは、レストランの店情報やタグ、空席状況、レビューなど、OpenTableの検索機能と同じ情報を活用している」とOpenTableのCGO(最高事業成長責任者)のスーザン・リー氏は述べている。
また同氏は、ChatGPTの会話要素は、Google検索のような従来の検索エンジン体験とは一線を画すものだとも電子メールに書いている。
「ChatGPTにより、ユーザーはより深く、より活発に使用できる。それはあなたの親友にお勧めを聞くようなもので、空き状況を共有することでより良い体験ができる」とも述べている。
ChatGPTとの提携はOpenTableの戦略の一部で、最新の検索と消費者行動のトレンドを把握し、食事をする客のレストラン予約を促すものだ。
「これは初期の段階だが、私たちはこの分野に飛び込み、この機能が私たちに見せてくれる世界を想像して興奮している」とリー氏は述べている。
OpenTableはプラグインをゆっくりと展開することで、botの実世界での使用状況を知ることができると、同氏は考える。
LunchBoxによると、2022年11月のリリース後、2023年になって話題を呼び始めたChatGPTは、特にマーケティングやソーシャルメディアのコピーを生成する際に、レストランに役立つツールを提供することができる(注3)(注4)。しかし、テック関連メディアの「Make Use Of」によると、ChatGPTは一連の推測によって回答を導き出すため、必ずしも正確ではなく、誤った回答を生み出す可能性があるという(注5)。
OpenTableは、消費者とレストランがコミュニケーションを向上させるためのツールを多数追加しており、2021年に導入されたダイレクトメッセージ機能は、顧客が予約の前後にレストランに連絡できるようにするものだ(注6)。
(注1)NEW: ChatGPT restaurant recs, powered by OpenTable(OpenTable)
(注2)ChatGPT plugins(OpenAI)
(注3)ChatGPT is everywhere. Here’s where it came from(MIT Technology Review)(注4)CHATGPT AND AI FOR RESTAURANTS: 9 TOP WAYS TO USE AI TO GROW REVENUE(LUNCHBOX)
(注5)6 Big Problems With OpenAI's ChatGPT(makeuseof)
(注6)OpenTable diners can now send restaurants direct messages(Restaurant Dive)
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