プライバシー重視のWebブラウザBrave、ユーザートラッキング防止の新機能を実装

主要なWebブラウザがユーザートラッキングを制限する機能を実装する中、プライバシー重視のWebブラウザBraveはファーストパーティーの再識別をブロックする新機能「Forgetful Browsing」を実装した。

» 2023年05月16日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Brave Softwareは2023年5月11日(現地時間)、同社が提供するWebブラウザ「Brave」にファーストパーティーの再識別をブロックする新機能「Forgetful Browsing」を実装したと発表した。

 昨今、主要なWebブラウザは広告配信などのためにサードパーティーがユーザーをトラッキングすることを制限する機能の実装に取り組んでいる。対してサードパーティートラッカーはこの機能を回避する方法を模索しており、最近はファーストパーティのストレージを利用する方法への依存度を高めている。Braveに今回搭載された新機能はこうした状況でのプライバシー確保を念頭に置いたものだ。

Braveにユーザートラッキング防止機能が実装された(出典:Brave SoftwareのWebサイト)

プライバシー重視のWebブラウザBraveにユーザートラッキング防止の新機能

 Braveは「Chromium」(Google Chromeの基盤となるソフトウェア)ベースで開発されたプライバシー保護を重視したWebブラウザだ。同Webブラウザに今回実装された、Forgetful Browsingは、Braveのデスクトップ版バージョン1.53および「Android」版バージョン1.54以降に標準搭載を予定し、以下のブロック機能を提供する。

  • Webサイトが閉じられたときに自動的にログアウトする
  • Webサイトの閲覧回数に基づく制限を回避する(あと何個記事を読めるかなど)
  • Webサイトがユーザーの再訪問を認識するのを防止する

 Forgetfulは「忘れっぽい」や「物忘れがひどい」といった意味の形容詞で、Forgetful Browsingを日本語でそのまま表現すると「忘れっぽいブラウジング」という意味になる。クローズ後に関連するデータをより多く削除してトラッキングを困難にするというニュアンスを表現するために使われている。

 主要Webブラウザはプライベートモードやまたはそれに類する機能を提供しており、ユーザーがサードパーティーに特定されにくいようにする方法を提供している。Forgetful Browsingはこうしたプライベートモードをさらに強力にしたもので、Webサイトやサードパーティーによるユーザーの特定を阻害するとされている。

 Brave Softwareは「そもそもWebブラウザがWebサイトに対してユーザーを無期限に再認識することを許可している現在の挙動がプライバシーの観点から好ましくない」と指摘している。また、電子メールやソーシャルメディアのように個人を認識したいWebサイトの数は限定的であり、Forgetful Browsingのようにユーザーを特定させない使い方がプライバシー的には適切だとしている。

 Forgetful BrowsingはWebサイトごとに有効化することも、デフォルトで有効化することも可能だ。デフォルトで有効化した場合、個人を特定したいWebサイトに対してのみ例外的に機能を無効化する設定を適用する。

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