SX推進で富士通がMicrosoftと戦略的グローバルパートナーシップを締結

富士通とMicrosoftは、顧客のSXを推進するクラウドソリューションの開発と提供に向けた戦略的グローバルパートナーシップを締結した。顧客の事業環境の変化に対応し、組織変革、サプライチェーンの構築を支援するソリューションを共同開発する。

» 2023年05月30日 08時00分 公開
[山口哲弘ITmedia]

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 富士通とMicrosoftは2023年5月29日、顧客のサステナビリティトランスフォーメーション(SX)を推進するクラウドソリューションの開発と提供に向けた5年にわたる戦略的グローバルパートナーシップを締結したと発表した。デジタルイノベーションによって持続可能な社会の実現を目指す。

製造、流通、医療、公共分野で「Microsoft Cloud for Industries」を展開

 今回のパートナーシップを通じて富士通とMicrosoftは、富士通の社会課題解決に向けたグローバルソリューション「Fujitsu Uvance」をさらに拡大させる。

 Microsoftのクラウド関連の技術と、富士通のコンピューティングやネットワークなどの技術とさまざまな業種での知見を融合させ、製造や流通、ヘルスケア、公共分野に向けて、顧客の事業環境における変化への対応や組織変革、サプライチェーンの構築を支援するFujitsu Uvanceのソリューションを共同で開発する。

 富士通とMicrosoftは、Fujitsu Uvanceで注力する重点注力分野のうち、特に次の4分野で具体的な取り組みを進める。

 1つ目の分野は「Sustainable Manufacturing」だ。自然災害や地政学的リスク、パンデミック、原材料価格の変動といった環境の急激な変化に製造業の顧客が柔軟に対応でき、堅固で迅速に復旧可能なサプライチェーンの構築を支援するリスク可視化ソリューションを、「Microsoft Cloud for Sustainability」を活用して共同開発する。

 2つ目は「Consumer Experience」だ。流通分野の顧客に向けて、増加する消費者の需要に対応できるスマートリテールソリューションを開発する。食品ロスを防止する効率的なショッピングや、消費者のサステナブルな志向の高まりに対応できるソリューションを提供する。

 3つ目は「Healthy Living」だ。Microsoftのクラウド技術を活用して、医療分野の顧客が患者のデータを保護し、医療の質を向上させ、医療機関の運営を最適化できるよう支援する。病院の電子カルテと患者データを連携させるクラウドプラットフォームと、生成AI(人工知能)など医療従事者の負担を軽減するAI技術を提供する。

 4つ目は「Trusted Society」だ。この分野に向けては、世界的なサプライチェーン危機に対応するサステナブルでレジリエントなソリューションを開発する。同ソリューションでは、製品の調達と輸送を簡単に追跡し、詳細な需要予測を提供する。CO2排出量の可視化などのサステナビリティに関する目標達成も支援する。

 富士通は、こうしたソリューションの展開を加速させるため、Microsoftと協力して今後5年間で世界全体の約2万8000人の従業員に対して各分野のソリューションや「Microsoft Cloud for Industries」のクラウドセールストレーニングなどの教育や資格認定を進めるとしている。

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