ヤマハ発動機がS/4HANAで経営基盤改革 その狙いは

ヤマハ発動機はS/4HANAで経営基盤改革を推進している。2030年までの長期ビジョンの達成を目指すという。

» 2023年05月30日 16時11分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 PwCコンサルティングは2023年5月30日、SAPジャパンと共同でヤマハ発動機本社および国内3社において「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)を使った「グローバル標準業務」を展開し、そのシステムを2023年1月に本稼働させたことを発表した。

ヤマハ発動機がS/4HANAで経営基盤改革 その狙いは

 ヤマハ発動機はDX戦略を支える経営基盤として2019年にS/4HANAを採用し、グローバルにおける業務の標準化や効率化、デジタル改革に取り組んできた。本社を含む国内3社におけるS/4HANAの導入の際は、システム標準に合わせて業務プロセスを見直す「Fit to Standard」の手法でアドオンを極小化し、これまで事業部別に構築されてきたレガシーシステムを刷新して安定したシステム稼働を実現した。

 PwCコンサルティングはS/4HANAの導入支援に加え、グローバルテンプレート構築などもを支援した。グローバルテンプレート構築では、販売や物流、購買、生産、会計の5種類の業務領域で、日本、北米、欧州、アジアの4地域を跨る140以上の拠点の経営情報やオペレーション情報を一元化するシステムを作った。また、監査法人であるPwCあらたと連携して業務標準化も支援した。

 今回構築した経営基盤は、2030年に向けたヤマハ発動機の長期ビジョン実現において基礎を担う。同社は今後、「デジタルマーケティング、コネクテッド商材の積極展開、顧客中心ビジネスへの変革」「デジタル技術を専門とするR&D体制、社会・お客様と共創するプロセスの構築」を目指す計画だ。

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