日立、SREに基づきクラウド運用を最適化する「HARCサービス」を発表

日立が新たなサービスを発表した。3つの特徴を生かして企業のDXを支援していくという。

» 2023年06月12日 08時00分 公開
[関谷祥平ITmedia]

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 日立製作所(以下、日立)は2023年6月8日、「Hitachi Application Reliability Centersサービス」(以下、HARCサービス)を同年6月30日から提供すると発表した。

 HARCサービスは、SRE(Site Reliability Engineering)に基づいて、アジリティと信頼性の両立やセキュリティ強化、クラウドコスト最適化を支援する。これまでは日立の米国子会社である日立ヴァンタラが先行してグローバルに提供していた。

3つの特徴とは

 HARCサービスの特徴は以下の3つだ。

1. SREに精通した専門チームがクラウドアプリケーションの運用変革を支援

 HARCサービスは、グローバルの先進事例や取り組みで培ったSREの専門的な知識や技術、ノウハウを生かしてユーザーのクラウド運用を支援する。具体的には、日立独自の評価指標によってクラウド運用の現状を信頼性やセキュリティなどの観点からスコア化し、めざす姿とのギャップを明確にして改善に向けたロードマップを提案する。

 また、システム設計や運用支援に加えて、ユーザー企業のSRE組織立ち上げに向けて、クラウドを前提とした運用やセキュリティに関する適切なガイドラインの策定、人材育成、体制構築なども支援し、運用改善を以下の段階で推進することを目指す。

  • ソフトウェアエンジニアリングによるトイル(Toil=自動化できるのに手作業で実施している運用作業)の自動化
  • オブザーバビリティ製品導入によるシステム/サービス状況のリアルタイム監視
  • AIOpsを活用したインシデントの予測/予防
  • 開発チームを含めたバックログ共有による継続的な運用改善ループ
  • DevSecOps実現を支えるSRE体制の構築

2. エンドツーエンドの継続的なクラウドコストの管理と最適化を実現

 FinOpsを活用し、現状のクラウドコスト分析から施策の提案・実装、継続的なコストの管理の3フェーズを通じて、ユーザーのマルチクラウド環境におけるクラウドコストの最適化を支援する。具体的には、総負担コストの把握や同業他社とのベンチマークから現状を明らかにし、リソースサイズの適正化やインスタンスタイプの変更など、コスト最適化に向けたアクションを推進する。

3. 日立のベストプラクティスをまとめたテンプレートにより、基幹システムの運用モダナイゼーションに対応

 日立が国内で培ってきた基幹システムのクラウド移行や運用高度化のベストプラクティスをまとめたテンプレートを活用し、基幹システムを含めたシステム全体の運用モダナイゼーションの実現を目指す。具体的には基幹システムに必要な運用やセキュリティなどに関する標準的な設計をテンプレートとして蓄積し、IaC(Infrastructure as Code:ITインフラ構築をコード化する手法)を用いて自動化することで、必要なときに迅速にIT基盤を構築できるようにする。また、セキュリティエキスパートがマルチクラウド環境におけるセキュリティ運用を提供する。

HARCサービスのメニュー体系(プレスリリース)

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