読者の中にはMicrosoftで働きたい方もいるでしょう。日本マイクロソフトはエンドユーザーにもパートナーにも製品やサービスを届けられ、IT業界のマーケティングやプロダクトマーケティング、パートナーとの協業、本社や関連会社とのコラボレーションを学びたい方には最高の選択肢の一つです。
パートナーとしてMicrosoftと仕事をすると、優秀な方とのネットワークを世界中に構築でき、ITコミュニティーでの活動が認められるとMicrosoft MVPとしてアワードを受賞できます。このアワードを受賞すると、製品やサービスの最新情報に加え、国内外のMicrosoft MVPと情報交換でき、さらにはMicrosoftの製品開発チームに課題や要望をエスカレーションする機会を得られます。年に一度は米シアトルで開催される「MVP Summit」に招かれ、製品チームがホストする数日間のセッションを受講できます。
筆者もこの仲間に加わったことで、自分の専門領域を問わず、さまざまなカテゴリーのMVPの方から学ぶ機会があります。受賞者はそれぞれの所属企業でその道の第一人者として評価されていることもあり、このような経験はモチベーションの維持につながっています。キャリアアップとして、Microsoft MVPに興味がある方はぜひ挑戦してください。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行でオンライン開催が続いていた大規模イベントも、2023年からは従来の対面スタイルに戻りつつあります。Microsoftが開催するイベントには、開発領域で「Microsoft Build」「Microsoft Ignite」、ビジネスアプリケーション領域で「Microsoft Business Application Summit」などがあります。
大規模なイベントを年に複数回開催できるのはIT企業の中でも限られます。グローバルイベントに参加すると、Microsoftならではのイベント会場の大きさや華やかさを体感でき、モチベーションアップにつながります。
Microsoftのパートナーがホストしているパートナー向けのグローバルイベントには、連載第6回でお伝えした「Directions ASIA」など、アジアで参加できるイベントもあります。このようなイベントは所属企業が開発したソリューションを紹介する場に最適です。英語のプレゼンテーションに挑戦し、他のパートナーに情報発信してみてください。失敗を恐れる必要はありません。頑張っている姿を見てくれる人が必ずいます。また、今後は日本マイクロソフト主催の国内イベントも活性化されていくはずです。
国内にも、Microsoftの製品やサービスでビジネスを行っているパートナーが多くあります。それぞれが独自のソリューションとしてMicrosoft製品を拡張し、マーケットに提供するエコシステムが出来上がっているので、Microsoft製品に関わっていれば転職時に優位に働くことがあります。
最近だと特に、ローコード領域は企業のニーズが高く、「Microsoft Power Platform」を構築できるスキルを持つ方には「実業務とシステム間のギャップを埋める仕事」がマーケットにあふれています。基幹システムもモダナイゼーション必達で、再構築の話が多くあります。
請負で何かを構築するのではなく、「ユーザー企業に内製化してもらい、DXを加速する」ことがゴールです。システムユーザーは非常に忙しいので、時間をもらうからにはレベルの高いサービスを提供し、魅力的であり続ける必要があります。
「日本市場に新たな製品をリリースする」「顧客が満足する導入を行う」「タイムリーで分かりやすいサポートを提供する」といった取り組みを通して、ビジネスを成長させましょう。きっと素晴らしいキャリアになるはずです。
個人のMicrosoft製品に対する知識や技術を認定する世界共通のプログラムとして、「MCP」(Microsoft Certification Program)があります。保持していると採用面談で面接官から興味を持ってもらえるかもしれません。
先日、卓球の石川佳純選手が23年間の現役生活に別れをつげました。石川選手は「諦めないことの大切さやチャレンジし続けることの大切さを卓球から学びました」「長い間応援してくださったファンの皆さまに感謝を伝えたいです。うれしい時は一緒に喜んでくださって、苦しい時には寄り添ってくれる。そんな素晴らしいファンの方々に恵まれてプレーできたことは、すごく幸せなことだと思っています」といったすてきなコメントを残されました。
私たちもこれまでの社会人生活を振り返ると、「あの時のあの人との出会い」に大きな影響を受けています。筆者もIT業界に尊敬している方が多くおり、壁にぶつかる度に貴重なアドバイスをいただいてきました。顧客や同僚から学ぶこともありました。その結果、社会人生活で積み上げてきたそれぞれのタスクや経験が線となり、年齢を重ねるにつれて面になった気がしています。筆者もこれまで一緒に時間を共にしてくださった皆さまに感謝を伝えたいです。
筆者は20年以上、Microsoft製品に関わってきたことで世界中に友人ができました。誰しもが「いつかはキャリアを終えるときが来る」と考え、自分がやってきたことを振り返るでしょう。筆者も「自分がやってきたことを褒めてやれるだろうか?」「自分は次の世代に何かを残せただろうか?」とよく考えるようになりました。
人生は長いようであっという間です。読者の皆さんはやりたいことにチャレンジできていますか。後悔はありませんか。日々全力で目標に向かっていますか。私たちの人生で一番若いのは“今”です。新しい何かにチャレンジするなら悩んでいる時間はありません。即行動しましょう!
2022年12月からスタートした本連載。第1〜6回までは「Microsoftのビジネスアプリケーションの全体像」「ERP領域」「CRM領域」「ローコード領域」「AI領域」「学び方やITコミュニティー」を、そして本稿では「Microsoftのビジネスアプリケーション領域におけるキャリア構築の可能性」について解説しました。これからの日本を担う学生や20〜30代の皆さまが、今後のキャリアを考える上で少しでも有益な情報になっていれば幸いです。
連載第8回となる次回は、Microsoftのビジネスアプリケーション領域でビジネスを行っている幾つかのパートナー企業を紹介します。
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