Googleは「AI Cyber Defense Initiative」の立ち上げを発表した。同社はこの取り組みをサイバーセキュリティのバランスを攻撃側から防御側へと傾ける大きなチャンスに位置付けている。
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Googleは2024年2月16日(現地時間)、「AI Cyber Defense Initiative」の立ち上げを発表した。
GoogleはAI(人工知能)をサイバーセキュリティのゲームチェンジャーとして位置付け、攻撃者に対する防御力を強化するための具体的な方策を提示している。このイニシアチブは、安全なAIの設計やバランスの取れたAIガバナンスの推進、そして先進的なセキュリティ研究に注力する予定だ。
同社がこの取り組みにおいて強調している3つのポイントは以下の通りだ。
幾つかの具体例として次の内容が取り上げられている。
Googleは今回のサイバーセキュリティへの取り組み強化の一環として、「Magika」というオープンソースソフトウェア(OSS)を公開したことも発表した。MagikaはAIを搭載したファイルタイプ検出ツールで「Gmail」「Google Drive」「Safe Browsing」などの製品やサービスで使われている。Magikaは従来のファイル識別方式の性能を超えて、JavaScriptやPowerShell、VBAなどで従来は識別が難しかったコンテンツに対して全体として30%の精度向上と最大で95%の高精度を提供する。
AIはサイバー攻撃側にとっても防御側にとっても新しい局面を産んでいることは間違いなく、さまざまな状況が速いペースで変わっている。今後もこうした動向に目を向けるとともに、常に最新の情報を入手して適切に対応することが望まれる。
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