BroadcomがついにVMwareの今後を示す新ポートフォリオを発表した。VMware製品群の今後はどうなるのだろうか。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
Broadcomは2024年2月27日(現地時間)、ついにVMwareの新しい製品ポートフォリオを発表した。「Software-Defined Edge」(ソフトウェアベースのエッジ)は5GやSD-WAN、セキュア・アクセス・サービス・エッジ(SASE)、エッジコンピュートを包括する内容になっている。
Broadcomは既に買収したVMwareの製品群についてのライセンス見直しを発表しており、既存ユーザーが今後の動向を注視している状況だ。今回発表された新ポートフォリオは、Broadcomが今後、VMware製品群とそのビジネスモデルをどう変えていくかを図る上で重要な情報だ。
Broadcomは今回の発表で、通信事業者はSoftware-Defined Edgeによって、ネットワークのモダナイゼーションや収益化に向けた新サービスを開発できるようになるとしている。
BroadcomでSDE部門を率いるサンジェイ・ウパール氏(上級副社長兼ゼネラルマネージャー)は、「この技術はCSPやエンタープライズ企業の大きな関心を集めている」と強調した。
ウパール氏のVMwareのSoftware-Defined Edgeに関する発言内容は次の通りだ。
VMwareのSoftware-Defined EdgeはCSPやエンタープライズ(大企業)の間で高い関心を集めている。VMwareはエッジコンピュートからインテリジェントオーバーレイ、テレコム クラウドまで網羅した統合的なアプローチで対応している。
オーバーレイ領域ではSymantecと連携するシングルベンダー型の新しいSASEソリューションの投入によって、分散型エッジの接続とより安全なセキュリティ確保に取り組む企業を、テレコムクラウド領域ではCSPが通信サービスのコア/RANインフラをモダナイズ化し、収益化に資するサービスを実現できるように支援している。
同日、Broadcomの傘下であるSymantecとVMwareは、シングルベンダー型SASEソリューションとして「VMware VeloCloud SASE, secured by Symantec」を発表した。「VMware VeloCloud SD-WAN」(旧: VMware SD-WAN)と「Symantec Security Service Edge」(SSE)の機能を統合した共同の新ソリューションで、VeloCloudやSymantecがインストールされたBroadcomの顧客にメリットを提供するとしている。
VMwareとSingte(シンガポール・テレコム)が協業を拡大し、5Gおよびエッジクラウドに対応したオールインワン型マルチネットワーク/マルチクラウドオーケストレーションプラットフォームである「Singtel Paragon」を介して「VMware Edge Compute Stack」を使ったクラウドインフラの一元管理を推進することも発表された。企業はSoftware-Defined Edgeソリューションを利用して、アプリケーションを再設計することなくSingtelの5Gで利用できる。
両社はクラウドサービスプロバイダー(CSP)による「VMware Telco Cloud」と「VMware Service Management and Orchestration」(SMO)フレームワークのデプロイや、RANエコシステムパートナーとの共同イノベーションを推進することも発表している。
これらのVMwareの新しいサービスはエコシステムパートナーとの共同開発により実現した。Broadcomは「企業はエッジにおける大規模なワークロードの実行を従来にない優れた可観測性のもとに自動化できるようになる」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.