新種のATMマルウェアが欧州で発見された。99%の成功率を誇るとされるこのマルウェアは、欧州のほぼ全てのATMおよび世界の約60%のATMに影響を与える可能性がある。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
「Daily Dark Web」は2024年5月25日(現地時間)、新たなATMマルウェアが欧州だけでなく、世界の銀行を脅かしていると報じた。
「Daily Dark Web」によると、この「EU ATMマルウェア」は、欧州のほぼ全てのATMおよび世界の約60%のATMを危険にさらす可能性がある。グローバルバンキングのセキュリティに深刻な脅威をもたらし、Diebold NixdorfやHyosung、OKI、Bank of America、NCR、GRG、日立製作所グループなどの大手企業が製造したATMを標的にできると報告されている。
マルウェアは完全に自動化されており、展開と操作が簡略化されている。手動のアプローチを好むサイバー犯罪者のために手動操作モードも用意されていることが判明している。
このマルウェアの開発者グループは、「このツールを使用すれば、標的となるATM1台当たり最大で3万ドルの収益を生み出すことができる」と主張する。この主張が正しければ、被害者にとって非常に有害なツールといえる。
「CyberSecurity INSIDERS」によると、EU ATMマルウェアにはサブスクリプションプランが用意されており、ジャックポット成功時には利益の分配のリクエストを受け付けるという。
欧州の銀行業界は、厳格なセキュリティ対策を実施していることで高い評価を受けてきたが、EU ATMマルウェアの脅威からATMインフラを守るという困難な課題に直面している。EU ATMマルウェアは欧州以外の銀行業界にとっても脅威と考えられる。
銀行および金融機関は高度な脅威への防御とリスク軽減するために定期的なソフトウェアのアップデートやアクセス制御の厳格化、従業員のサイバーセキュリティトレーニングを実施することが求められている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.