「ウチはムダなものを売っていない」 CrowdStrikeのCEOが同業他社を痛烈批判Cybersecurity Dive

CrowdStrikeのCEOは、同業他社であるMicrosoftやPalo Alto Networksを痛烈に批判しつつ大躍進の背景について語った。

» 2024年06月25日 08時30分 公開
[David JonesCybersecurity Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

Cybersecurity Dive

 CrowdStrike Holdingsは2024年6月4日(現地時間、以下同)、ITセキュリティ分野の厳しい支出環境をものともせず、第1四半期の業績が予想を上回ったと発表した。

「ウチはムダなものを売っていない」 CEOが同業他社を痛烈批判

 2024年4月30日に終了した四半期の総収益は、前年同期の6億9260万ドルから33%増の9億2100万ドルとなった(注1)。同年4月30日の年間定期収益は前年同期比33%増の36億5000万ドルに成長した。大躍進の背景を同社CEOが同業他社と比較しながら語った。

 CrowdStrikeは、ライバル企業が割引や無料のインセンティブを打ち出しているにもかかわらず、「CrowdStrike Falcon」プラットフォームでビジネス収益を強化し続けている。同社のジョージ・カーツ氏(CEO)は「同業他社は企業向けのライセンス契約を利用して顧客を囲い込もうとしている」と述べた。

 カーツ氏は電話会議の中で、次のように述べた。

 「無駄な企業向けライセンス契約を売り付けるベンダーと異なり、私たちの顧客は購入したものを活用している。必要なものを必要なときに購入し、活用する形が自然だ。私たちは、既存のビジネスを再分類したり、再集計したり、再配置したりしてプラットフォームにうわべだけの価値を作り上げているわけではない。プラットフォームが本当の価値を提供しているのであれば、表面的な変更は必要ない」

 CrowdStrikeの同業他社であるPalo Alto Networksは、自社の統合プラットフォームで企業と複数年契約を結ぶために、無料のインセンティブと請求の延期を提供する計画を発表し(注2)、業界全体に価格低下のスパイラルを引き起こした。Palo Alto Networksによると、幾つかの競業が独自のインセンティブを提供して対抗したため、市場が混乱したという。

 CrowdStrikeは、マルチポイントセキュリティ製品から統合プラットフォームへの顧客移行を進めている。同社のバート・ポドベア氏(最高財務責任者)によると、少なくとも8つのモジュールを含む契約が前年比で95%増加したという。

 ポドベア氏によると、CrowdStrikeは採用のペースも上げており、全体の従業員数は前年比で15%増加している。

 最近、Microsoftはサイバー攻撃を受け(注3)、それに伴ってサイバー安全審査会(CSRB)はMicrosoftの対応を非難する報告書を提出した(注4)。これを受けて、カーツ氏は「市場から支援を求める声が殺到している」と述べた。同氏は長年にわたってMicrosoftを批判しており、競合のソフトウェア企業を攻撃する機会を逃さない。

 「私たちは、これ以上は我慢できないと考えている。Microsoftの顧客基盤において、セキュリティチームやITチームへの信頼が危機にひんしている」(カーツ氏)

 CrowdStrikeは「Falcon for Defender」という製品を発表し(注5)、Microsoft Defenderが見逃した攻撃を阻止するのに役立つとしている。

 また、CrowdStrikeは「Microsoftを使用していて情報漏えいを経験したFortune 100のヘルスケア企業と数十万ドルの契約を締結した」と述べた。

 最近、パートナー企業の統合や合併が活発化する中、CrowdStrikeは2024年5月に、Amazon Web ServicesおよびGoogle Cloudとの戦略的パートナーシップを拡大した(注6)(注7)。

 CrowdStrikeは、2024年4月30日に終了する会計年度第1四半期の非GAAPベースの利益を2億3170万ドル、1株当たりの利益を93セントと報告した。前年同期の1億3640万ドル、1株当たりの利益57セントから増加した。

 CrowdStrikeは2025年度の見込み額を引き上げ、収益は39億8000万ドルから40億1000万ドルになると予想している。

© Industry Dive. All rights reserved.