米国ではCFOの65%が生成AIを活用 成果は出ているのか?CFO Dive

米国CFOの過半数が生成AIを戦略に組み込んでいることが調査で分かった。しかし、知識不足をはじめとして課題もいくつかあるようだ。

» 2024年07月08日 08時00分 公開
[Alexei AlexisCFO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CFO Dive

 企業間デジタル決済サービスを提供するBilltrustの調査によると、米国のCFO(最高財務責任者)の65%は、生成AIを戦略に積極的に組み込んでいるという(注1)。

生成AIの導入は広がるものの知識には差が

 2023年第3四半期にDeloitte Touche Tohmatsuが実施した調査では、財務責任者の42%が生成AIを試験的に利用し、15%が戦略に組み込んでいるという結果だったことを踏まえると、この数字は進歩を示していると同社は述べた(注2)。

 Billtrustのアーサン・シャー氏(データインテリジェンス担当シニアバイスプレジデント)はプレスリリースの中で「生成AIはCFOの戦略的展望に革命をもたらし、これまでにないほど業務効率と意思決定の役に立っている」と述べている。

 全米の財務責任者375人を対象に調査を実施した同社によると、多くのCFOが生成AI導入において「模索の段階をはるかに超えている」ことを示しているという。

 調査結果に関する報告書では「チームがより戦略的な意思決定や業務効率化、予測分析による事業の改善を求める中で、期待は現実のものとなりつつある」と記載されている。

 回答者の4分の3以上に当たる76%が生成AI導入の結果、業務効率とプロセスの速度が大幅に向上したと報告し、36%がこの技術はすでに付加価値を高め、収益に影響を与えていると答えた。さらに40%が今後1年以内にそのような状態になると予想している。

 しかし、生成AIの機能について「非常に詳しい」と答えたCFOは49%にすぎず、知識格差が大きいことも明らかになった。データプライバシーやシステム統合、従業員のトレーニングが他の主要な導入課題として挙げられた。

 調査によると、CFOが生成AIを導入している具体的な分野としては、金融取引処理(77%)、リスク評価と管理(65%)、財務報告と分析(59%)、売掛金と債権回収(44%)などが挙げられる。

(注1)Billtrust Reports CFOs Rapidly Adopting Generative AI, but Knowledge Gaps Remain(Billtrust)
(注2)CFO Signals(Deloitte Touche Tohmatsu)

© Industry Dive. All rights reserved.