Appleは、Chromeが多くの追跡Cookieを使用し、シークレットモードが完全にプライベートではないと主張し、自社のWebブラウザSafariの使用を推奨した。これに対してGoogleはChromeにはプライバシー設定を管理できるよう設計されていると反論した。
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セキュリティメディアの「CySecurity News」は2024年8月31日(現地時間)、AppleとGoogleの間でオンラインプライバシーを巡る議論が展開されていると報じた。
Appleは「Google Chrome」(以下、Chrome)が多くの追跡Cookieを使用し、シークレットモードが完全にプライベートではないと主張する一方、GoogleはChromeにはプライバシー設定を管理できるよう設計されていると反論している。
Appleはプライバシーの懸念から、10億人を超える「iPhone」ユーザーに対してChromeの使用を控えるよう促す広告キャンペーンを展開している。このキャンペーンはChromeが多数の追跡Cookieを使用し、シークレットモードでもユーザーの活動が完全には保護されていないとする主張に基づいている。
Appleは上記の主張から、ユーザーに対して自社のWebブラウザ「Safari」を使用するよう推奨しており、Intelligent Tracking Prevention(ITP)機能によって広告主の追跡を制限し、より安全なブラウジング環境が提供されていると強調している。
一方でGoogleは、Chromeがユーザーデータを保護し、プライバシー設定を管理できるよう設計されていると主張している。ChromeにはサードパーティーのCookieをブロックする機能やWebサイトごとの権限管理が提供されており、プライバシーポリシーの定期的な更新を通じてデータ収集の透明性を確保し、ユーザーにデータ使用に関する明確な情報を提供することに努めていると説明している。
この対立はデジタル時代におけるオンラインプライバシーの重要性を浮き彫りにしており、インターネットを介して生成される膨大なユーザーの情報が広告主にとって非常に価値があることが示されている。
同時に個人のプライバシー保護に対する懸念も高まっている。多くのユーザーは自分のオンライン行動がどの程度追跡されているかを十分に認識しておらず、プライベートブラウジングモードを利用している場合においてもWebサイトや広告主に追跡される可能性がある。
Safariはプライバシー重視のユーザーにとって魅力的な選択肢であり、特に追跡を最小限に抑えたい場合に適しているとされ、Chromeはカスタマイズ可能なプライバシー設定を提供しておりブラウジング体験を自分好みに調整したいユーザーに向くとされている。最終的にユーザーはどのWebブラウザを使用するかは個々のプライバシーの優先度や閲覧習慣に応じて選択することが重要だ。
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