京セラコミュニケーションシステムは、新規構築したサーバがランサムウェアに感染したことを発表した。奈良県斑鳩町立図書館の新システム導入作業中に発生し、一般利用者へのサービス提供は延期となった。
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京セラコミュニケーションシステムは2024年10月2日、奈良県斑鳩町立図書館への新システム導入作業中に新規構築したサーバがランサムウェアに感染したことを発表した。
同社は2024年9月10日に図書館システムの導入作業を開始し、同年9月29日に図書館職員向けにシステムを稼働させていたが、同年9月30日にサーバ接続のエラーを確認した。調査の結果、ランサムウェアに感染し、サーバ内のデータが暗号化されていたことが分かった。この影響によって同年10月1日に予定されていた一般利用者向けのサービス開始が延期された。
京セラコミュニケーションシステムは事態発覚後、図書館システムを外部ネットワークから遮断して影響範囲の拡大を防止している。今回の感染によって影響を受けたサーバには斑鳩町立図書館の利用者情報が含まれていた。現時点で情報の流出や金銭の要求などは確認されていないとしており、引き続き詳細な調査を実施する方針だ。
現在システムの運用停止に伴い、斑鳩町立図書館のWebサイトおよび蔵書検索システムが利用できない状態が続いている。京セラコミュニケーションシステムはインシデントの発生について、斑鳩町立図書館の利用者および関係者に深く謝罪を表明するとともに、外部のセキュリティ専門家と連携しながらシステムの保護および復旧に向けた作業を進めており、利用者への影響を最小限にとどめるよう対応を進めている。
今回のインシデントは公共施設におけるセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性をあらためて浮き彫りにした。近年、ランサムウェア攻撃は急速に増加しており、公共機関を含めさまざまな分野で被害が報告されている。ランサムウェアによるサイバー攻撃は組織にとって大きな脅威であり、セキュリティ対策の重要性が求められている。
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