企業向けVPNクライアントの脆弱性を調査するオープンソース「NachoVPN」が提供開始セキュリティニュースアラート

AmberWolfはVPNクライアントの脆弱性を調査するツール「NachoVPN」を発表した。SonicWallやPalo Alto NetworksのVPNクライアントに、リモートコード実行および権限昇格の脆弱性があるかどうかを調査できる。

» 2024年11月29日 07時30分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 AmberWolfは2024年11月26日(現地時間)、主要なVPNクライアントの脆弱(ぜいじゃく)性を調査するオープンソースソフトウェア(OSS)「NachoVPN」をリリースした。

 このツールによって、SonicWallおよびPalo Alto Networksといった企業向けVPNクライアントにリモートコード実行(RCE)および権限昇格の脆弱性があるかどうかが分かる。

VPNクライアントの脆弱性を調査できるOSSツール「NachoVPN」が利用可能に

 NachoVPNは攻撃者がVPNクライアントの脆弱性を利用し、システムやネットワークの特権を取得する可能性を実証するツールだ。セキュリティ専門家がこれらのリスクを把握し、適切な対策を講じるためのツールとして設計された。

 同ツールは2024年10月末に米国のハリウッドで開催された「SANS HackFest Hollywood 2024」での講演で発表された。同講演では主要なVPNクライアントの設計上の欠陥が攻撃者にどのように悪用されるかが説明され、特にVPNクライアントがVPNサーバに対して暗黙的な信頼を置く設計上の弱点が指摘された。この他、攻撃者がVPNクライアントを悪用し、「macOS」および「Windows」環境の双方で任意のコマンドを実行する方法も紹介された。

 NachoVPNはこれらのシナリオを再現可能にするOSSとして、「GitHub」で公開された。具体的には「SonicWall NetExtender」や「Palo Alto GlobalProtect」の脆弱性を使ってPoC(概念実証)のエクスプロイトを仕掛けられる。

 NachoVPNが使用する脆弱性は脆弱性情報データベース(CVE)に登録されている。CVE情報は以下の通りだ。

  • CVE-2024-29014: 「SonicWall SMA100 NetExtender Windows client(32bitおよび64bit) 10.2.339」以前のバージョンに存在するRCEの脆弱性。共通脆弱性評価システム(CVSS) v3.1のスコアは8.8、深刻度「重要」(High)に分類されている
  • CVE-2024-5921: Palo Alto Networks GlobalProtectに存在するRCEおよび権限昇格の脆弱性。Windows版、macOS版ともに脆弱とされている。Palo Alto NetworksによるCVSSの評価は7.1で、深刻度「重要」(High)に分類されている

 AmberWolfはNachoVPNを通じてVPNクライアントの脆弱性に対する認識を高めることを推奨している。ユーザーはAmberWolfが提供している情報を活用し、脅威に対する防御策を強化してほしい。

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