日立製作所が、生成AIの論理的思考能力を強化する「学習データ自動生成技術」を開発した。既存の生成AIが苦手とする投資戦略策定などの分野において、意思決定の精度向上が期待される。
生成AIの精度向上には品質の高い学習データが欠かせない。だが、学習データの整備は労力が必要な作業となるため、生成AIの本格的な利用の障壁となっている。この問題については学習データを自動生成するアプローチが各社から提案されている。
日立製作所は12月11日、生成AIの論理的な思考能力を高めるための学習データを自動的に生成する技術を発表した。
本技術では過去の情報を基に、複数の思考パターンや思考のステップといった内容を含むデータを生成する。出力したデータで作った「論理的思考データセット」は任意の生成AIの追加学習に使える。
出力したデータをデータセットとして既存の生成AI(LLaMa-3.1-70B)に追加学習させたところ、論理的推論力が8.7%、数学の問題を解く能力が3.3%、プログラミングのタスクを解決する能力が6.2%向上したという。
日立製作所は、生成AIは定型的なタスクや数学、プログラミングの問題を解決できるが、自然言語を高度に活用した論理的思考力には課題があるとして本技術を開発した。「○○○地域での×××事業への投資は適切か?」のような高度な意思決定が必要な問題について生成AIが自然言語を用いて解決できる技術としている。
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