AWSとNTTデータが戦略的協業契約を締結した。日本市場に残るレガシーなIT資産のモダナイズ、マイグレーションとAI活用を念頭に置いた取り組みになるようだ。
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NTTデータはAmazon Web Serviceと日本市場を対象とした戦略的協業契約を締結した。契約は2025年1月から3年間。
今回の契約では生成AI活用サービス「LITRON」やNTTが開発した大規模言語モデル「tsuzumi」をAWS環境から提供する他、NTTデータが持つデータセンターおよび、金融機関などでの採用実績が多い同社クラウドサービス「OpenCanvas」と「Amazon Web Service」(AWS)を組み合わせたハイブリッドクラウドサービスの開発を進める。合わせてAWSスキルの有資格者も拡大する。生成AI関連のAWS認定資格保有者1500人を含む1万人のAWS認定資格保有者の育成を進める。
今回の契約においてNTTデータはガバメントクラウドや金融機関のような高いサービスレベル、セキュリティレベルが求められる業務も視野に入れており、グループが持つ日本語に特化した言語生成AIなどを組み合わせたサービスの開発も強化する。同社の取り組み詳細は次の通りだ。
NTTデータが提供する生成AI活用サービスLITRONと大規模言語モデルtsuzumiをAWS環境で提供する。AWSの生成AIサービス「Amazon Bedrock」を活用したAIエージェントサービスの構築などの、生成AI関連サービスの拡充と強化に取り組み、新たなビジネスを創出する。
クラウド活用の企画から運用までをワンストップで担うサービスを拡充する。2025年末に主要システムの移行を目指すガバメントクラウドのような高いサービスレベルが求められるシステムのクラウド移行、モダナイゼーションから運用までの一連のプロセスを伴走型で支援する。クラウド向けの情報漏えい対策ソリューション「A-gate」などのNTTデータが持つアセットを活用したソリューションを提供する。
NTTデータは2024年8月末の段階でAWS認定資格所有者を約6800人擁しており、今後3年間でこれを1万人まで拡大する。人材育成と合わせて、自社ノウハウを組み込んだ開発テンプレートのラインアップも拡充する。
AWSはこれまでも日立や富士通、SCSKなどと同様の契約を締結しており、ITシステムのモダナイズやクラウド移行支援を強化している。
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