ビジネスマンの6割が「求められるスキルの変化」を実感 今必要な能力1位は?

ビジネスパーソン1200人を対象にしたヌーラボの調査によると、回答者の現在は、約半数が「5年前と比べてチームワークによる仕事が難しい」と回答し、約6割が「求められるスキルの変化を実感」していることが分かった。

» 2025年01月23日 08時00分 公開
[金澤雅子ITmedia]

 ヌーラボは2025年1月6日、全国のビジネスパーソンを対象にした「現代のチームが抱える課題と、成果を上げるために重視すべきこと」についての調査結果を発表した。社会人歴6年目以降で、普段の業務で社内・社外と共同でプロジェクトを進めることがあるビジネスパーソン1200人を対象に実施した(調査期間:2024年8月29日〜9月2日)。

 現代のビジネス環境は、異なる部署や社外メンバーが関わる業務が増加し、プロジェクトがより複雑化している。今回の調査結果によると、回答者の約半数(43.8%)が「5年前と比べてチームワークを醸成して仕事をすることが難しくなった」と感じていることが明らかになった。また、約6割の回答者が求められるスキルも変化したと感じているという。どのような能力が必要とされているのか。

約半数が「5年前に比べ、チーム運営が難しい」と回答した理由

 チームワークが難しくなった理由として、「一緒に働くメンバーの価値観が多様化している」(54.2%)、続いて「対面で会ったことがない人との業務が増えた」(34.8%)、「多様なスキルを持つメンバーと働く機会が増加した」(30.0%)といった要因が、影響していることが明らかになった。このような環境下では、どのようにして効率的かつ効果的なチーム運営を実現するかが、ビジネス成功の鍵を握るといえる。

5年前と比べてチームワークを醸成して仕事をすることが難しくなったと感じるようになった理由(出典:ヌーラボ発表リリース)

約6割が「求められるスキルの変化」を実感

 約6割(56.8%)の回答者が「5年前と比べて仕事において自分に期待されるスキルが変化した」と感じていることも判明した。特に現代のビジネス環境で求められているスキルとして、第1位が「複数のメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事をする」能力(62.0%)、第2位が「チームとして成果を上げる」能力(60.1%)、第3位が「非定型的な業務・プロジェクト型業務への柔軟な対応」(59.5%)であることが明らかになった。

 「これらの結果は、個人の成果以上にチーム全体のパフォーマンスが重要視される時代へとシフトしている実態を示している」とヌーラボは分析する。チームワークを強化し、非定型的な業務に柔軟に対応するためのマネジメントが、これまで以上に必要とされていることが浮き彫りになったと指摘する。

5年前と比べて仕事に求められるようになったスキル(出典:ヌーラボ発表リリース)

チーム運営の元凶は何か

 「チームで働く上で課題に感じていること」については、「共通の目標や方向性をすり合わせること」(26.3%)や「役割や責任の分担が不明確になりがちなこと」(23.3%)が主要な課題として挙げられた。ヌーラボは「これらの問題は、ストレスの源となるだけでなく、回答の多かった『モチベーションの維持』(39.2%)や『チームワークの醸成』(26.4%)といった課題にも影響を与えていることが読み取れる」と分析する。

 多様なスキルを持つメンバーが集まるチームでは、方向性の不一致や役割分担の曖昧さが連携を阻む大きな障害となるため、業務内容の見える化や、メンバー間でのオープンなコミュニケーションの促進が不可欠になる。

チームで働く上で課題に感じていること(出典:ヌーラボ発表リリース)

チームのパフォーマンスを最大化する方法とは

 現在、勤務形態や雇用形態が多様化し、メンバー全員が同じ環境にいるとは限らない状況が一般的になっている。このような環境であっても、いかに業務効率を高め、チーム全体のパフォーマンスを最大化するかが、組織の成否を左右する重要な課題になる。

 こうした課題を解決するために、ヌーラボでは、組織や所属の枠を超えて集まった人々がワンチームとなり、1つの目標に向かって協力して効率的かつ効果的に業務を推進するためのプロセスや手法を「チームワークマネジメント」と定義し、部門や役職にとらわれないチームワークマネジメントの取り組みによって成果を上げていくことが、変化の激しいビジネス環境下での成功と組織の競争力向上につながると説明する。

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